秘められた恋が叶うまで【G's】

推測 ページ4

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葉｢何も不安に思うことはないわ。ここにいるよりずっと安全。初対面で緊張するでしょうけど、とっても優しい方よ｣


『…絶対、行かなきゃなの？』


葉｢…えぇ、絶対よ｣






ある程度必要なものだけまとめておきなさいね

そう告げて部屋を出て行った
家具とか生活に必要なものは
用意してくれるらしい

…あ、肝心なこと聞くの忘れた
信頼する人って誰だろう
女の人？男の人？年上？年下？

いきなりのことだらけで、混乱してる
ベッドに頭を預けたら
スマホにぶつかった






『…隼くん』






明日迎え行くからって言ってた
…え、隼くん関係してたりしないよね
だっておばあちゃんたち、隼くんのこと知らない

返信途中だった画面を開いたら
【既読無視？笑】
っていう文と変なへこんでるスタンプが送られてきてた

隼くんと初めて会った時
わたしを見てものすごいびっくりしてた
ごめん、って外に出て
よく外に出れたねって
自分のこと分かってる？って
隼くんは意味の分からないことを言ってきた

わたしがΩだったとしたら
あの時だって普通にフェロモンたるものが出てて
もしかしたら隼くんはαで
フェロモンにやられちゃってたんだとしたら
あの染まった頬も
あがった息も
わたしから逃げたことも
全て辻褄が合ってしまう

認めたくなくて
違うって言って、って願いを込めて
【隼くんって、α？】
って、それだけ送った

そしたらすぐに既読されて
【そうだよ。聞いた？】
って、返ってきちゃった

当たってしまった
わたしの推測

じゃあ、あれ
もしかしたら、わたし隼くんのとこに行くの？

【わたし隼くんと住まなきゃ？】
【俺もいるー】
【他にも誰かいるの？】
【それは内緒にしててって言われてるから言えないなー】

内緒にしてて、ってなんだそれ
こっちは不安でいっぱいだっていうのに
こんな呑気なこと言う人誰だ
信じられない

なんかやけくそで荷物まとめて
ご飯の時も楽しくなくて
お姉ちゃん、大丈夫？って心配されちゃった
この子たちは、わたしがいなくなること知ってるのかな

大丈夫だよって笑顔を返してふと思う
わたしなんだかあっさり事実を受け入れてる
もっと反抗したっていいはずなのに

心のどこかで
いつかこんなことが起きるんじゃないかって、思ってたのかも

夜になっても冷静な自分が
少しだけこわくなった




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