秘められた恋が叶うまで【G's】

いいにおい ページ11

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いつもの癖でアラームを5時に設定して
起きて伸びをした時に周りを見て気づく
…もうあの家じゃないんだった

いつもはおばあちゃんの手伝いで
一緒に朝ご飯を作ってた

目が覚めちゃったし、リビング行こうかな

みんなは朝ご飯どうしてるんだろう
そういうのも聞けばよかった
そんなことを考えながらリビングに行ったら
ソファの上にぐでーんって佐野さんが寝てて
その下に転がるようにメンディーさんが寝てた

机の上には、空き缶が置かれてる






『宅飲み…ってやつか』






飲んでそのまま寝ちゃったんだ
平日だけど2人とも予定ないのかな

起こさないように空き缶を片付けて
失礼します、って冷蔵庫をチェックした
…わ、なんだ
ご飯作れそうなくらいは材料がある

お米もあるし、朝ご飯作れそう

なるべく音を立てないように料理を始める
お味噌汁にご飯に、目玉焼きにベーコン
一人分ずつお皿に分けて、サラダもちょっとだけ

作ってる間にリビング見渡してたら
壁に一人ひとりのスケジュールを書く表がかけられてた

リーダー よせちゃん かずっち ぶー おれ タピオカ たーくん

小学生みたいな字で
小学生みたいなあだ名を書いてる
その下に 予定とか時間とか

あ、今日隼くんスタジオ練習だって
佐野さんはバイト
亜嵐くんは練習
数原さん、片寄さん、メンディーさんは仕事
なかつかゆうたさん…休み、だ

…わたしは？
亜嵐くんにひとりで外出しないこと！って
半強制的に約束させられたけど
ひとりで外行けないんだったら
バイトとかお買い物とか、普通にできない

この家ですることもないし
もしかして、めちゃくちゃ不自由な生活をしなくちゃ…？






『いやだ…』






隼くんからなんちゃら抑制剤っていうのもらったし
安全なんじゃないのかな

バイトとか、してみたいな
そうやって友だちつくっていくんだよね
高校行ってないから
友だちはあの施設にいた人たちだけ
中学の時は携帯なかったから連絡先とか知らないの

考え事しながら料理してたら
最初作る予定だったものよりかなり多く作っちゃった

食べ切れ、ないな…

時計見たら6:30
考え事って恐ろしい






玲｢んっ…んﾞん〜…っ！！｣






佐野さんがすごい声出しながら伸びをする
ドサ、と(たぶん)メンディーさんの上に落ちて
モゾモゾ動いてる






玲｢…いいにおい｣






ソファからひょこ、と顔を見せた佐野さんは
昨日とは違って可愛らしかった




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