角砂糖に溶ける夢４【北×樹】

とんでもないこと ページ21

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遅めのお昼を食べて、旅館に戻る
戻る時もずっと手を繋がれた

部屋で少しゆっくりしたい気持ちと
ほっくんのぎゅーが恥ずかしい気持ちとが入り交じって
なんだか変な感覚






北｢ただいまー。夕飯18時だっけ？ちょっとゆっくりしたら温泉入りたいなー｣


『ほっくん、寝ちゃいそう』


北｢んー、寝たら起こして。一緒に温泉行こ｣


『しょうがないなぁ』


北｢ねぇ、ここね、予約制の貸切露天風呂あるんだよ｣


『へぇ、すごい』


北｢予約しておいたから入ってきなね｣


『えっ、いいの？』


北｢うん。あ、でも、男女共用なんだって｣


『うん』


北｢だからおれと一緒に入ってもいいよ？｣


『はっ…、入れるわけないでしょ！』


北｢あは、やっぱ？笑 残念だなー｣


『絶対むりだよ、』


北｢確かね、21時から1時間の予約だったと思うから、絶対時間間違えて入らないでね｣


『…1時間しかないの？』


北｢うん、1時間。だから、ゆっくり浸かっておいで｣






わたしが1時間入っちゃったら
ほっくんは入れずに終わっちゃうじゃんか

今回の旅行は
ほぼほっくんに任せっぱなしだったのに
わたしだけいい気分になるのは、だめだよ






『ほっくん、わたしはいいからほっくんが入ってきて』


北｢え、なんで？｣


『だって運転してくれたり、旅館の予約とかも全部してくれたから…』


北｢そんなの気にしなくていいよ｣


『気にするの』


北｢頑固オヤジ｣


『オヤジじゃないです』


北｢も〜、A来て｣






畳の上に寝転んでたほっくんは
起き上がって膝を立ててわたしを呼んだ

何かと思ったけど
足を開いて待ってるのを見て
ぎゅーするんだ、ってわかっちゃった

ドキドキしながら近づいたら
後ろ向いて って言われたから後ろを向いた

ちょうどほっくんの足の間にすっぽり収まって
後ろから抱きしめられる






北｢…おれはAが喜んでくれたらそれでいいの｣


『ほっくん、』


北｢だからおれのこと考えなくていいから、わかった？｣


『…わかんない』


北｢駄々っ子Aちゃんだ｣


『ほっくんも……』






わたしのために、って思ってくれたほっくんの気持ちを無下にするわけにはいかない
だけど、ほっくんだけ入らずに終わるのも嫌だ

わたしの、わがままでしかないけど…
でも、これしか思いつかない






『ほっくんも…、一緒に、入ろ？』


北｢………え？｣






うわぁぁ、とんでもないことを言っちゃった…！




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