角砂糖に溶ける夢【北×樹】 (ページ10)

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お昼ページ10

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金曜日

あの日から樹くんとは顔を見ることはあっても
特別話したりはしなかった

ほっくんも変わらないし
いつも通りの日々

凪｢ん～っ、よし！Aちゃん、先にお昼食べておいで｣

『え、昨日もわたしが先だったのに』

凪｢いーの。わたしこれだけ終わらせちゃいたいから｣

『…わかりました。ありがとうございます』

凪｢うん！｣

凪さんの優しさに甘えて
お昼は食堂にしようかなーと考えながら
ロッカールームに向かって歩いていた

エレベーターホールの前を通った時
ちょうど上からエレベーターが降りてきて扉が開く

そこにいたのは
玲於さん、ほっくん、樹くんだった

北｢A！｣

きらっきらの笑顔で駆け寄ってきたほっくん
手には財布があって
ほっくんたちもお昼行くんだ、と瞬時に理解できた

『ほっくんお疲れさま。どこに食べに行くの？』

北｢玲於さんといっつも行くとこ｣

『お肉美味しいとこだ！いいなぁ』

北｢Aは？｣

『わたしは食堂でパパッと済ませちゃおうかなって』

北｢えぇ、そんなのだめ。玲於さん、おれAと昼食べます｣

『えぇ！？』

後ろを振り向いて躊躇なく玲於さんにそう言った
あたふたするわたしとは対照的に玲於さんは冷静に話し出す

樹くんは相変わらず大人しかった

玲｢Aちゃんも連れてけば？昼誘えよ｣

北｢…4人ってことですか？｣

玲｢あからさまに嫌そうな顔すんなし笑｣

『…悪いよ。わたしはひとりで、』

玲｢大丈夫、Aちゃん。ほくちゃんが奢ってくれるよ｣

北｢そりゃもちろん奢るけど…｣

玲｢はい、時間なくなるから早く行くぞ｣

玲於さんはずんずん前に行ってしまう
ほっくんがまじすか～…？と玲於さんを追ったけど
ほんとに行っていいものかわからない

ほっくんに声をかけようとしたら
後ろから声がした

樹｢行きましょ、Aさん｣

『樹くん…、ほんとにいいのかな』

樹｢大丈夫っすよ。俺もAさんいてくれた方がうれしいんで｣

『…え？』

北｢あ、何こそこそやってんだよ。A、こっち来て｣

樹｢こそこそなんてしてません｣

北｢樹はそーやって…｣

隣に並んでかわいらしい口喧嘩
仲良しになったなぁ、

玲｢誘うっていえばさぁ、歓迎会。ほくちゃん行くの？｣

…ん、歓迎会？

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