貴方には言わない (ページ3)

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太宰「嗚呼悪いんだけど、僕そういうの専門じゃなくてね」

太宰「このチビを相手してやってよ」

男はそう言ってオレンジ髪の背中を押し出す。

「アｧ!?俺に丸投げすんじゃねぇ糞太宰！！」

『貴方は確か双黒の小さい方､､､中原中也だったかな』

太宰「ぶぅっっーーーー！！！聞いた！？小さい方って、、あはは！いいね君センスあるよ」

太宰が腹を抱えて楽しそうに笑う。

当の本人はと言うとそれとは対にだんまりを決め込んでいる。

(空気が重くなった…？そんなに地雷だったのかしら)

中原「……る」

『聞こえないけど？』

中原がゆっくり顔をあげてこちらを見る。

中原「…ぶっ殺してやるよ」

凄まじい殺気だった。

手が小さく震える。

それから決着が着いたのはすぐだった。

中原に触れられたら最後、重力を操られて死ぬ。

『ぎゃっ！』

太宰が仕掛けた罠に足を引っ掛けるとあとは簡単。

中原に首を掴まれてされるがままだった。

利き腕を折られて銃すら握れない。

『…早く、早く殺してくれる』

もうこんな腕で銃は握れない。

組織はそんな私をきっと捨てる。

中原「あ？死にたがりを殺す任務じゃねェんだよ」

銃が握れない私なんてもう誰も欲してくれない。

『あんたの任務なんて知ったこっちゃ無いよ！！良いから早く殺して！！』

取り繕っていた皮が剥がれ落ち口調が荒くなる。

太宰「嗚呼悪いけど君を殺すっていうのはメリットがないからね。もうそれ以上傷付けようとは思ってないよ」

ずっと影で薄笑いをしながら見守っていた太宰が口を開く。

『は？じゃあ何なのこれ？嫌がらせ？あっそう、私の唯一の居場所の組織から捨てられて1人寂しく死んでくところを嘲り笑ってやろうって魂胆ね。』

中原の腕の力が弱まる。

どうせ殺して貰えないならここで思う存分吐いてから自分で死のう。

『…みんな私のこと道具みたいに扱いやがって』

『私が銃を握れなくなったら誰も必要としてくれない癖に、なんも私の人生に選択肢なんて一切なかったのに、死に時も選べないなんて、私の人生ごみ、ごみすぎる。最悪』

『あんた達もどんな女か見に来てやろう、傷だけ付けて捨ててやろうってことでしょ』

『はは、考えてたらあんた達もクソみたいな昔の親に見えてきた』

『もういいでしょ、離してよ。自分で死ぬから』