野生児との遭遇 ページ30
更に数ヶ月。
今日は猪を狩った。
赤身が引き締まっており非常に旨い。
「さて……と」
残った皮と骨を埋め、御馳走様の感謝を告げる。
振り返って歩きだし、魔力を飛ばして気配を探った、その瞬間だった。
「……ッ!?」
「おりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」
叫び声を上げながら高速で何かが駆けてくる。
「っ、うおっ……!」
飛んできた拳を防ぎ、その姿を確認する。
「なんだァてめぇ! 離せ!」
元気に叫ぶそれは、立派な筋肉を携え上裸で、何より頭に猪の頭を被っていた。
「なんだお前……」
「俺はこの山の王! 嘴平伊之助様だ!」
「そうかよ、僕はマールド」
「マリオだな!」
「違う、マールドだ。マリオは違う」
「それよりマリオてめぇ離しやがれ!」
その名前はまずいと訂正を試みるが、全くもって聞く耳を持たない。
どうやらこの伊之助という少年の中ではマールドは「マリオ」という認識になってしまったようだ。
溜め息を吐きながらも、マールドは伊之助を下ろした。
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アスナ(復活)(プロフ) - 作品見ました!すごい面白くて引き込まれちゃいました! 更新頑張って下さい! (12月10日 11時) (レス) @page41 id: bbcff10712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時:2023年6月25日 8時