鬼殺隊 ページ22
「……それで、なのだけれど……」
カナエ、と名乗った女性は少し伏し目がちに話し出した。
「貴方もわかっているみたいなのだけど……貴方は今、人間じゃなくなっているの」
「だろうな、鬼、だったか?」
「そうなの……」
まあ既にわかっていたことだと、マールドはすぐに話題を切り替えた。
「それで、鬼とやらについて教えてほしい」
「随分あっさりしてるのね……」
「生憎なことにこういうのはなんか慣れちまった、慣れって怖いもんだよ本当」
「あはは……」
その様子に苦笑いを浮かべながら、カナエは鬼について語りだした。
「鬼、それは夜を住みかとする食人鬼。人間の血肉を食料として、人並み外れた身体能力と再生する身体を持ち合わせる化物よ」
「ほー……道理であの無惨とかいうワカメが死なない訳だ」
「そうそうあのワカメ……って貴方鬼舞辻無惨と遭遇していたの!?」
「え、あ、成り行きで……」
そのワードを耳にした瞬間血相を変えてマールドに迫ってきたが、こほん、と咳払いをし話を戻した。
「取り敢えず……その鬼舞辻無惨が千年以上前から鬼を産み出し続けているの。その側近の鬼、十二鬼月はかなりの強敵よ。」
「十二鬼月……あー、あの目に上弦とか書いてた奴らか?」
「待って、貴方無惨だけじゃなくて上弦の鬼、それも複数と戦ったの……?」
「あ、おう……まあ怪我で上手く動けなくて粘り負けしたんだけどな……」
「えぇ……?」
マールドの言い振りに思わず口がぽかんと開いたまま塞がらないといった様子のカナエ。
「え、と……」
「鬼は……どうすれば殺せるんだ? ナイフで斬っても再生したぞ」
「そうね……不死身の鬼達にも弱点が二つだけあるの。
一つは藤の毒。直接殺すまでは至らないけれど、藤のお香を炊いておけば鬼に襲撃されることはないの」
「成程、んでもう一つが……」
「日光よ。そして私たちが使っているこの刀は特別製なの。日輪刀って言ってね、日光を浴びて、それと同じ性質を持っている金属で造られているの」
「……? あんたら……何者なんだ……?」
色々と突っ込みたいのを堪え、マールドは疑問をぶつける。
そして、カナエが口を開いた。
「私たちは、人に仇為す鬼を狩る……鬼殺隊よ」
「鬼殺隊、か……」
ふわり、と微笑んだ彼女の奥、洞窟の入り口を日光が照らしていた。
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アスナ(復活)(プロフ) - 作品見ました!すごい面白くて引き込まれちゃいました! 更新頑張って下さい! (12月10日 11時) (レス) @page41 id: bbcff10712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時:2023年6月25日 8時