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 声が聞こえる。

 ――ドクターの様子は?

 ――意識レベル上昇中です!

 ――おい、声をかけてやれ。

 手を握られる感触。

 「――!――、聞こえる?あんず!」

 誰かが、自分を呼んでいる。
 ゆっくりと目を開く。数回瞬くと、ぼやけた視界がいくらかクリアになり、オレンジ色の髪の青年が覗き込んでいるのが見えた。

 「良かった、おはようあんず!ホッケ〜、あんずが目を覚ました!」

 青年が顔を上げて叫ぶと、黒髪の別の青年が速足で近づいてきた。

 「ドクター、俺たちのことが分かるか?」

 「……」

 考える。思い出せない。彼らは誰だっただろうか。ドクターとは自分のことだろうか。そして、ここはどこだろう。

 「うーん、記憶が曖昧になってるのかな?仕方ないか、アーツが直撃したんだもんね……守ってあげられなくて、ごめん」

 「お前だけのせいじゃないぞ、明星。目を配り切れなかった俺も悪かった。みすみすドクターを攫われるとは……不覚だったな」

 「うん……ねえあんず、本当に大丈夫?もしかして声が出ない?」

 そんなことはない。あ、あ、と念のため発声してみたが、問題なく声を出せる。若干掠れているのは、おそらく水分不足だろう。
 二人の会話から、自分が何かしらの攻撃を受けて敵に攫われたということは把握できた。ではここは一体どこだろう?
 その時、もう一人青年が駆け込んできた。赤髪の青年だ。片手に通信機のようなものを持ち、酷く焦っている。

 「不味いぞ、スバル、北斗!真から通信が入った、敵がこちらに向かってる!急いで撤退しないと」

 「了解!撤退ルートは?」

 オレンジ色の髪の青年が尋ねる。

 「今2winkの二人が探ってくれてる!すぐに出発できるよう準備だけして待機だ。真のことも待たないとだしな」

 「了解。助かった、衣更」

 「ああ。しかし、思ったより早く見つかって良かったな。あんず、俺の名前は?」

 衣更と呼ばれた赤髪の青年は、軽い気持ちでそう尋ねたのだろう。しかし、これは大問題だった。何せ、目が覚めてからこの方、自分にはそれ以前の記憶が一切ないのだ。仲間であろう青年たちの名前は勿論、自分の名前すらも分からない。

 「……」

 「おいドクター、念のため聞くが。……もしかして、記憶がないのか?」

 黒髪の青年が尋ねてくる。申し訳ないと思いつつも、ゆっくりと頷いた。

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彩音(プロフ) - Chrisさん» ほんとですか・・・!?ドクター出てこなくても全然楽しめるタイプなので、是非投稿して頂けると嬉しいです。 (2022年8月4日 20時) (レス) id: 25043c6aac (このIDを非表示/違反報告)
Chris(プロフ) - 彩音さん» コメントありがとうございます、返信遅くなり申し訳ありません>< ドクターが出て来ないパターンであれば、今も書いておりますので、機会があればこちらにも投稿しようと思います。好きと言っていただけて、本当に嬉しいです。 (2022年8月2日 11時) (レス) @page7 id: e6bb7f68d0 (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - やばいどちらも好きなゲームだから最高でした・・・。更新が止まっていて悲しいですが、この作品好きでした!! (2022年7月25日 22時) (レス) id: 25043c6aac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Chris | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chrisinfo/  
作成日時:2020年10月6日 21時

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