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 「いいんですか〜?ありがとうございます」

 癖の強い紺色の髪の少年が、嬉しそうに礼を言った。

 「オバちゃんここに座るのか!じゃあおれもここにする!」

 橙色の髪の少年がそう宣言し、ぽすんと席に着いた。英智と千秋の間だ。

 「助かります〜。どこに座ってもいいんですけど、俺たちじゃどこに座るかっていうだけで凄く迷っちゃって。優柔不断はいけませんね」

 紺色の髪の少年が微笑んだ。席はAの隣だ。

 「うん、ツムギらしいね」

 英智が笑った。
 ツムギと呼ばれた少年は、少し首を傾げた。

 「うーん、俺たち何処かで会いましたか?あなたたちとは初対面だと思うんですけど」

 「そうなのか?俺は二人のことを知っているぞ!***レオに***ツムギだ、そうだろう?」

 千秋の声にノイズがかかる。これまでの傾向から、どうやら1回目を除いて2回目からは名字にノイズがかかるらしい。不思議なシステムだ。

 「お前たち、おれのことを知ってるのか!生憎おれはお前たちのことを何も知らん!」

 橙色の少年――こちらが(なにがし)レオなのだろう――が豪快に笑った。その目が笑っていないのを、Aは読み取った。彼は、Aたち3人に警戒心を持っているのだ。まるで猫のようだな、と思う。自由ながらに一部の者にしか懐かない、しなやかな動物をそっと思い浮かべた。

 「だから教えろ!まずはそこのお前!」

 「?」

 そして、最初に指されたのがAだった。

 「ええと……Aです。あっちが英智さん、こっちが千秋さん」

 「ありがとうございます。レオくん、人を指さしちゃダメですよ。あっ、俺はつむぎです。きっと、俺たちの同姓同名のそっくりさんが、あなたたちの身近にはいるんですね」

 「同姓同名の、そっくりさん……別世界の同一人物だったりして」

 「あるいはそうかもしれませんね。何てったって、ここは幻想の世界ですから」

 Aの言葉につむぎが頷いた。

 ここは銀河鉄道だ。物理法則、時間軸、何にもとらわれず、しかし人間の感覚にとらわれる、幻想の世界。あったかもしれない世界の誰かに会う可能性だって、普通にありそうだ。

 「それにしても死ぬほど暇だ!ここじゃ曲は作れないっ、オバちゃんはいるのにセナはいない!手は疼くのにメロディーは出てこない!」

 レオが騒いだ。

 「そっちの***も作曲はするのか」

 千秋がしみじみと言った。

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Chris(プロフ) - 冬枯さん» コメントありがとうございます。嬉しさで机殴りながら返信打ってます(だって初コメ……初コメ……!!)。遅々として進まない筆で申し訳ありませんが、少しずつでも更新してまいりますので今後もお楽しみいただければ幸いです。 (2020年8月21日 20時) (レス) id: 313ba381d4 (このIDを非表示/違反報告)
冬枯(プロフ) - 楽しく読ませて頂いております!自分も友達から勧められ、新シリーズから始めた者です。流星の篝火は無理です。本当に無理。良い話すぎて泣きます。良さの反動と言えど、文を紡いでいくのはすごいと思います!これからも更新楽しみに待ってます! (2020年8月21日 19時) (レス) id: ec10afebdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Chris | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chrisinfo/  
作成日時:2020年6月13日 0時

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