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Case.198 -Zero the Enforcer- ページ48

爆破事件の翌日、博士から爆弾らしきものが見つかったと報告を受け、俺は博士の家に向かってスケボーを飛ばしていた。
はやる気持ちが、次第にスピードを上げていく。

「くそ……ッ!」

抑えきれなかった毒が、口からこぼれ出た。頭の中で、蘭の声がこだまする。


――お父さん…!


昨日、小五郎のおっちゃんが逮捕された。

そして、証拠を盾に、動機が不十分なまま強引に逮捕した風見という刑事は、公安部の人間だった。
そもそも高木刑事が言うには、今回の事件は初め事故として処理されるはずだったらしい。それが、風見刑事がおっちゃんの指紋を発見したことで、事件性が出た。

おそらく公安は、元から事故ではなく事件だと気づいていたんだろう。けど、現場にはそれを裏付けるものが何もない。


だから、犯人をでっち上げた。



その違法作業が黙認される立場こそ、―――“公安”。



「……っ」

ギリ、と噛み締めた奥歯が軋んだ。
いつもなら頼りになるその二文字が、絶対的な司法の権力をもって俺の前に立ちはだかる。

…安室さん。

思い出されるのは、ポアロで見たあの人の後ろ姿。
なんでこんなことするんだと、衝動のまま叫んだ――その答え。


――僕には、命に代えても守らなくてはならないものがあるからさ


告げられた言葉には、揺るぎない意志が垣間見えた。

今回の安室さんは敵かもしれない――だとすれば、やることはひとつ。



真犯人を、見つけるだけだ。



.

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胡蝶(プロフ) - 名無しさんさん» コメントありがとうございます!とても励みになります…!しかも一気読みいただいたとのこと、とても嬉しいです!更新遅いですが、どうかお付き合いくださいませ。 (2022年12月5日 1時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 初めまして。内容の丁寧さに惹き込まれ、昨夜から一気読みしてしまいました。とても好きです。 (2022年12月4日 20時) (レス) id: d1e259953e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年10月1日 1時

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