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Case.176 ページ26

「えっ…高校生探偵?」

その言葉に、ポニーテールの彼女――和葉ちゃんが大きく頷いた。

「せやで!平次は西の高校生探偵って呼ばれとって、結構有名なんやよ!」
「それにコナン君とも仲が良くて。服部君が解決した事件の話とか、よく聞いてるみたいです」

一緒にいると兄弟みたいなんですよと、蘭ちゃんはくすくすと笑う。


どうして私達が一緒にいるのかというと、話は少し前に遡る。




デート前の用事を済ませてスマホを見ると、零からメールが届いていた。

《すまない、遅れる》

その時点でまさかとは思ったけど、一応調べてみたらそのまさか。


なんとポアロで事件が起きていた。


さすがに事件の詳細までは分からなかったけど、零が遅れるならわざわざ錦座で待ち合わせをする意味はない。元々私の都合みたいなものだったし、いつ解放されるか分からないなら尚更だ。野次馬に紛れて様子を見るか、長引くようなら近くで時間を潰せばいい。

そう思って引き返そうとしたところで、偶然蘭ちゃんと鉢合わせたのだ。

「もしかして、Aさんもイルミネーションを見に来たんですか?」
「“も”ってことは、蘭ちゃんも?」

聞くと、一緒にいた友達の和葉ちゃんの提案で、急遽見に来ることになったらしい。しかも、本当は和葉ちゃんの幼馴染と眼鏡のボウヤも来る予定だったのが、2人はポアロの事件に巻き込まれているんだとか。
帰る方向が同じなら一緒に行こうということで、今に至る。

「それにしても災難だったわね。せっかく大阪からイルミネーションを見に来たのに、まさか事件なんて…」

和葉ちゃんと幼馴染の平次君は大阪在住らしい。
可哀想に…。
東京と大阪は、日本じゃそれなりに距離があるはず。学生が金曜の夜に弾丸でやって来たのに、事件の所為で目的が果たせないだなんて。

…とはいえ、私も人のことは言えないんだけど。
零との初めてのデートは爆弾解体する羽目になったし、偶然会ったと思ったら銀行強盗に遭遇するし、恋心を自覚した矢先に零は命の危機にさらされるし。恋人同士になった今でも、なんだかんだと仕事に邪魔されている。

…あれ、こうして考えると、私もだいぶ可哀想なんじゃない?

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胡蝶(プロフ) - 名無しさんさん» コメントありがとうございます!とても励みになります…!しかも一気読みいただいたとのこと、とても嬉しいです!更新遅いですが、どうかお付き合いくださいませ。 (2022年12月5日 1時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 初めまして。内容の丁寧さに惹き込まれ、昨夜から一気読みしてしまいました。とても好きです。 (2022年12月4日 20時) (レス) id: d1e259953e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年10月1日 1時

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