経理部の大瀬さん[赤] (ページ18)

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18. ページ18

『今まで無視してごめんなさい！

はい、仲直りの握手！！』

差し出した手をなかなか握らない太陽。

おいこら！

恥ずかしいから！早く手を出せ！

山田「...俺はお前が！！」

～♪～♪～♪

タイミングよく私のスマホが鳴る。

ディスプレイには山崎さんの名前。

山田「...。」

『...。』

差し出したままだった手を下ろそうとしたとき、

ガシッと手首を掴まれた。

山田「...。」

『..電話に出れません。』

山田「出なくていい。」

久しぶりにみた真剣な顔。

やばい...かっこいい。

しばらくすると電話が切れ、

山田「山崎さんと付き合ってんの？」

と一言。

『付き合ってませんよ。』

やっぱり...。

女子社員たちの噂話は、山田まで届いていたようだ。

山田「Aは山崎さんのこと...」

...どう思ってんの？

そう聞く瞳が真剣で

大瀬「うーん、頼れる先輩ですかね..？

スタイルいいし、イケメンだし、仕事もできるし、悪いところがないって思ってます。」

その真剣な瞳から逃げたくて、つい早口で話してしまう。

山田「...じゃあ俺は？

Aは俺のことどう思ってんの？」

...あれ？

...なんか怒ってらっしゃる？？

握られたままの手首が熱い。

『山田さんは笑顔が素敵。』

山田「...だけ？」

『あと、今月の営業成績トップ。』

山田「え、なんかさっきとえらい違いなんだけど。」

ふっ、と山田の表情が穏やかになる。

『あと、すごく努力家で、おだてるとすぐ調子に乗って、以外と背中が広い！あと、柔軟剤のいい匂いがする！

あと...

あと...。

私のこと好きになってくれたらいいなって思ってます...。」

ずっと届けなかった私の思い。

本当はずっとずっとそう思ってた。