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9小節目_A ページ3
狭い仮設住宅で過ごす日々も、もう飽きた。
｢今、何してるんだろう？｣
頭に思い浮かぶのは華恋のことばかりで、
何もする気が起きない。
ただ時間だけが過ぎていく。
隣に華恋が居ないことが苦しくて、
この気持ちだけは今の僕にはどうすることもできなかった。
｢華恋がいないと何も楽しくない、なんで、なんで会えないの…？｣
こんなこと言ったって、何も変わらないのに。
町や大人達は、もっと大変な思いをしてるのに。
｢っ…こんな言葉、華恋が聞いたら悲しむもんね｣
布団の上に放り投げていた上着を
ぎゅっと握りしめて、
重苦しい空気から逃げるように外へ出た。
しかし、昨日と変わらず殺風景のままだった。
体に当たる風は心に突き刺すように冷たかった。
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作者名：かふぇもか | 作成日時：2020年12月21日 19時
