3秒後 ページ16
はい、ってドアを開けて閉じれば帽子とメガネをすっ、と外した
和也「久しぶり」
「お久しぶりです」
そう言うとお邪魔するねーって靴を脱いで私の手を掴んだ
「わ、」
和也「ふうん、一人暮らしなのに意外と広いのね？」
セキュリティもなんかしっかりしてるし、って
「貯めたお金で…それと普通に仕事してますから…」
ちゃんと節約もしてるし
会社が会社なだけあってほかのOLさんより給料がほんの少し高い
あとちょっと悪ぶってた夜遊びみたいなバイトのお金はすべて貯金という
あの頃には想像もできないくらい地道に貯金していたからだと思う
親のお金を使うのはすごく嫌で、それだけはしたくなかったから
というあのときからの私の意地みたいなものでこの一人暮らしが成り立っていると言っても過言ではない
こっちきて、って掴まれた手はそのままでソファーに彼だけ座った
だから私もつられてソファーに座る
くいっと片方の口の端を器用にあげた彼は私を見てふっ、て笑う
何考えてるの、わかんない
和也「白うさちゃん、変な顔してるよ？笑」
「な！…っ！もともとですっ、！」
和也「……そんなことないと思うけど」
優しくて安定したゆっくりめの声がそっぽを向いた私に寄り添った
私の見えないところで、彼はどんな顔をしているんだろう
「…いきなり、なんですか」
和也「ん？笑、かわいいなって思ってるけど？」
遊ぶような、でも嘘を言っていないかのような、
そんな声にほんの少しだけ振り向けば、
あの日、抱き締めた力と同じような力でぐいっと私を二宮さんと向き合うような形になった
大きな瞳と少し困ったみたいな笑顔にぶわっと顔が熱くなる
「近い…、」
目を逸らすと、ちゃんと見てって言うかのように彼の手がそっと私の両頬を包んだ
和也「俺はこっちにいるんだから」
「…知ってますけど、近い、っ！」
その瞬間、唇が柔らかいものとぶつかった感触がした
目の前には薄目でふっ、と笑う彼の目
キスしてる、そう感じたのはぶつかった感触がしたその3秒後だった
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Mii(プロフ) - サラさん» 初めまして。そう言っていただけると嬉しいです (2015年8月31日 23時) (
レス) id: becef9bc4b (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - Miiさん、初めまして。このお話すごく好きです！優しくて意地悪な二宮さんに、きゅんきゅんします。続き楽しみにしてます♪ (2015年8月31日 17時) (レス) id: d23062f07c (このIDを非表示/違反報告)
Mii(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます！嬉しいです涙、これからもよろしくお願いいたします (2015年8月29日 13時) (レス) id: becef9bc4b (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 今回、初めて読ませて頂きました！すっごくこのストーリー私は大好きです！更新されるのを楽しみに待ってます！ (2015年8月29日 1時) (レス) id: 794eedbd38 (このIDを非表示/違反報告)
Mii(プロフ) - こなりさん» いつも温かいコメントありがとうございます、無理せずマイペースにやっていきますので、読む方も焦らず読んでいってください笑、これからもよろしくお願いいたします！ (2015年8月27日 1時) (レス) id: becef9bc4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mii
| 作成日時：2015年8月25日 0時
