#14 ページ14
spring moon #14
翌日、大きな欠伸を洩らしながら気だるい身体
を無理矢理に動かしてベッドから抜け出した。
昨日の夜は帰って来てすぐ、ソファやベッドを
点々としながら気だるい身体を横にしていた。
お陰で着替えもしないままベッドに身体を沈め
たせいで、知らない間に寝てしまっていた。
着替えてシャワーを浴びなくてはならないと目
を覚ましたのも明け方を過ぎた頃。
相変わらず訳の分からない所についてしまった
寝癖を触りながら冷蔵庫を開けてみるけれど、
生憎態々朝食を作る気にもならない。
仕方ない、と吐息を洩らしながら冷蔵庫のドア
を閉めると同時にキッチンのカウンターに投げ
ていたスマホが着信を告げた。
ディスプレイに表示されている" ジソン "の文字
を確認し終えて直ぐ、電話を取った。
「もしもし...」
『おはよ、ちゃんと起きてた？大丈夫？』
私の言葉が言い終わる前に話を始めるジソンに
苦笑しながらも続きを黙って聞く。
「起きてたけど...どうしたの？」
『近く寄ったんだけど朝ご飯食べた？食べてな
いならAの好きなカフェ寄ってくるから』
私の好きなカフェと聞いて直ぐ、彼の顔が頭に
浮かぶのだからある意味重症だろう。
「食べてないから、サンドウィッチ食べたいの」
『しょうがないなぁ...あとは俺の好みで適当に
テイクアウトしてくるね』
「あ、飲み物なんだけど」
『アメリカーノでしょ？』
ジソンの言葉に彼の作ったラテが思い浮かぶけ
れど、早朝の朝は彼がバイトに来ていないとい
う事を知っていた。
だからこそアメリカーノかラテかと言われてし
まえば、今はアメリカーノだろう。
「うん...ありがとう、支度して待ってるよ」
『カフェ出る的にまた連絡するよ、またね』
切れてしまった通話に、耳から離したスマホを
元あった場所へと滑り置く。
彼が淹れてくれなければ、ラテすら飲みたくな
いと思ってしまう私はどうしてしまったのか。
なんて散々今日まで誤魔化してみたけれど、き
っと私の中で彼の存在は幾分大きくなっている
様な気がした。
次にカフェを訪れる時はラテが飲みたいからで
も、カフェに用事があるからでもない。
「会いたいよ...」
口から溢れて消えた言葉は、まるで私の気持ち
をそのまま比例している様にすら思える。
言えるだろうか、私は貴方に会いに来たんだと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 155人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
choi(プロフ) - maryさん» ジソンオンマタイミング！笑 母性本能全開のジソンさんにはオンマ的ドジも頑張ってもらわないと、と思いましてヽ(´o｀；にしても我ながら今のタイミングはちょっと！ですヽ(；▽；)ノ (2018年9月12日 19時) (
レス) id: 3ac3189961 (このIDを非表示/違反報告)
mary(プロフ) - あああああ！！ジソンオンマー( ＴДＴ)今は声かけちゃダメー( ＴДＴ)笑 (2018年9月12日 12時) (レス) id: d75f5942a5 (このIDを非表示/違反報告)
mary(プロフ) - ぜひ！！ぜひその番外編読みたいです！！( *´艸) (2018年9月12日 12時) (レス) id: d75f5942a5 (このIDを非表示/違反報告)
choi(プロフ) - maryさん» ジェファンとの絡みに反応下さるのmaryさんだけなので、密かに凄く嬉しいです！笑 番外編でダニエルくんとジェファンのお話を書こうかな...なんて思っちゃいますヽ(´o｀； (2018年9月12日 11時) (レス) id: 3ac3189961 (このIDを非表示/違反報告)
mary(プロフ) - ジェファンとの絡み待ってましたー！！やっぱりダニエルくんとジェファンくんの絡み大好きです(*´∇｀)もうウジンに何されたんだ！！笑 (2018年9月11日 23時) (レス) id: d75f5942a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：CHOI | 作成日時：2018年7月9日 16時
