#15 ＊ ページ15
spring moon #15 ＊
遠ざかっていく彼女の小さな背中を見つめなが
ら、どうしてこんなにも愛しいのだろうかと考
えていた帰り道。
知り合って間もなくて、お互い知らない事ばか
りだと言うのにも関わらず俺が伝えた要望は全
て飲んでくれたのだ。
呼び方を変えて欲しいという事や敬語をやめて
欲しいという事。
どれもこれも、側から見たら大した事でもなけ
れば、何一つ重要じゃない様に見えるかもしれ
ないけれど。
俺たちにとっては距離を縮める唯一の方法の様
な気すらしてしまうのだ。
少しづつ、着実に縮まっているのではないかと
感じる俺たちの距離に少なからず不安もある。
ある意味今日までずっと、俺の一方的な片思い
の末に成り立っていたものだと感じるのだから。
朝から深い溜息を吐きながら、教室にある自分
の机へと顔を突っ伏した。
と、後頭部を無造作にわしゃわしゃと撫でつけ
られる為、堪らないくすぐったさに顔を上げる。
大体誰なのかは予想がついていたが、案の定俺
の髪をぐしゃぐしゃにしたのは前の席に座って
いるジェファンだった。
「ジェファン...朝セットしてきたんだけど」
「櫛通しただけなの知ってる、それはセットし
たとは言わないから...OK？」
「おーけい...」
ジェファンの言い方に目を細めてみせながら、
これ以上言うのは止めようと口を噤む。
「噂のヌナとはどうなった？片想いは成就しそ
う？」
俺の気持ちも知らないで、相変わらずあっけら
かんに言うジェファンを横目にもう一度顔を机
へと突っ伏し直す。
「分かんない、けど...ダニエルくんって呼んで
くれるし敬語もやめてくれた」
「いいね、進歩したじゃん」
「ねぇ、何処から目線なの？」
「ジェファン目線」
呆れた、なんて苦笑を洩らしながらもやはり少
しづつ近づいている距離に胸は踊る。
片想いならば、今は友達としてからでもいいと
すら思っているのだ。
カフェ店員とお客さんという関係から幾分進歩
した様に感じる俺と彼女の関係性に、満足して
いる自分がいればそうでいない自分もいる。
もし、次カフェで彼女に会う事が出来たのなら
自分の素直な気持ちを伝えられるだろうか。
顔を上げてちらりと窓の外に目を向けてみる。
今頃彼女は何をしているのだろう、なんてこう
している時ですら、彼女を想っているのだから。
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choi(プロフ) - maryさん» ジソンオンマタイミング！笑 母性本能全開のジソンさんにはオンマ的ドジも頑張ってもらわないと、と思いましてヽ(´o｀；にしても我ながら今のタイミングはちょっと！ですヽ(；▽；)ノ (2018年9月12日 19時) (
レス) id: 3ac3189961 (このIDを非表示/違反報告)
mary(プロフ) - あああああ！！ジソンオンマー( ＴДＴ)今は声かけちゃダメー( ＴДＴ)笑 (2018年9月12日 12時) (レス) id: d75f5942a5 (このIDを非表示/違反報告)
mary(プロフ) - ぜひ！！ぜひその番外編読みたいです！！( *´艸) (2018年9月12日 12時) (レス) id: d75f5942a5 (このIDを非表示/違反報告)
choi(プロフ) - maryさん» ジェファンとの絡みに反応下さるのmaryさんだけなので、密かに凄く嬉しいです！笑 番外編でダニエルくんとジェファンのお話を書こうかな...なんて思っちゃいますヽ(´o｀； (2018年9月12日 11時) (レス) id: 3ac3189961 (このIDを非表示/違反報告)
mary(プロフ) - ジェファンとの絡み待ってましたー！！やっぱりダニエルくんとジェファンくんの絡み大好きです(*´∇｀)もうウジンに何されたんだ！！笑 (2018年9月11日 23時) (レス) id: d75f5942a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CHOI | 作成日時：2018年7月9日 16時
