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*膝丸side



髭切「いやぁ〜やっぱあの子が菜愛ちゃんかぁ〜。
可愛かったね、麓丸〜」


膝丸「膝丸だ、兄者」




確かに…と喉まで言いかけた言葉は止まった。
兄者の目が獲物を見つけた猛禽のそれと同じだった。

神隠し、するつもりかと思った。
でもそれは辞めたらしい。

ただ、自分の鳥籠の中に入れた小鳥を
まるで果てのない鳥籠に入れた小鳥を愛でるようだ。

コレは決して逃げられはしない鳥籠。
自由に見えるそれは所詮、鳥籠の中の自由。

可哀想にな。神に魅入られていい事などないな。





髭切「みんなが彼女に執着するのがよくわかったね〜。ねぇ君もそう思うよね?ピザ丸」


膝丸「膝丸だ、兄者」





__執着しているのは兄者もじゃないか。

そう思ったのは俺の心の中に留めておこう。
こんなに楽しそうな兄者は久しぶりだ。

悪いな、人間。
俺はお前よりも兄者の方が大切なのだ。





髭切「でも彼女、
三日月殿に魅入られたあとがあったなぁ〜」


膝丸「あの三日月宗近に?!」


髭切「うんうん。びっくりだよねぇ〜。
でもさ、僕も欲しくてさ、「痕」、残しちゃった」


膝丸「ふー…ん?!は、兄者?!」




兄者まで痕を残したのか?!

「神の痕」とは神に魅入られた証拠。
たとえどこにいたとしても逃げられはしない。

それは例えば死んだとしても。
未来永劫。輪廻転生の後、でも。

それは魂に刻まれているから。
たとえ生まれ変わったとしても魂は変わらない。

だから永遠に逃げることは敵わない鎖。




まして2人の神の印だ。
お前も難儀なものだな、人間。

そう思いながら、
俺は兄者と共に本丸へ帰った。






宗近「おや。帰ったか。主が探しておったぞ」


髭切「そっかぁ〜。ありがとう、如月。
ただ、僕はアイツを主だと思ったことは1度もない」


宗近「そうか、そうか。
だがな髭切よ。アレは俺のものだ。手を出すなよ?」


髭切「ふふ。2人以上の神に魅入られた時、
選ぶのは彼女だよ?君こそアレに手を出すな」


鶴丸「そりゃ聞き捨てなんねぇな。俺のでもある。
ま、まさか3柱の神に魅入られるとはな。驚きだぜ」






3柱の神に魅入られた娘。
お前はこれからも恐らく魅入らていくのだろう。

この本丸の歪んだ神たちに。
俺たちにとって、澄んだお前は甘すぎる。

すまない_______産屋敷菜愛よ。








膝丸「すまない、兄者。
そして鶴丸。3柱では無い。









_______4柱だ。」









アレが欲しいのは俺も同じだ。

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伊織(元三日月)(プロフ) - 0× の所が無一郎が霞柱と隠のところにいますよ。これからも頑張って下さい (2020年12月2日 2時) (レス) id: 73bdd1a7af (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ご指摘ありがとうございます!たぶん治ったと思うのですが、まだ「上限」となっていたら教えていただけると嬉しいです! (2020年11月12日 21時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
al8056(プロフ) - 今思ったんですけど上限ではなく上弦ですよ (2020年11月10日 21時) (レス) id: 6b4ec52995 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サエル=クレメンス | 作成日時:2020年10月25日 11時

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