82+ ページ41
*膝丸side
髭切「いやぁ〜やっぱあの子が菜愛ちゃんかぁ〜。
可愛かったね、麓丸〜」
膝丸「膝丸だ、兄者」
確かに…と喉まで言いかけた言葉は止まった。
兄者の目が獲物を見つけた猛禽のそれと同じだった。
神隠し、するつもりかと思った。
でもそれは辞めたらしい。
ただ、自分の鳥籠の中に入れた小鳥を
まるで果てのない鳥籠に入れた小鳥を愛でるようだ。
コレは決して逃げられはしない鳥籠。
自由に見えるそれは所詮、鳥籠の中の自由。
可哀想にな。神に魅入られていい事などないな。
髭切「みんなが彼女に執着するのがよくわかったね〜。ねぇ君もそう思うよね?ピザ丸」
膝丸「膝丸だ、兄者」
__執着しているのは兄者もじゃないか。
そう思ったのは俺の心の中に留めておこう。
こんなに楽しそうな兄者は久しぶりだ。
悪いな、人間。
俺はお前よりも兄者の方が大切なのだ。
髭切「でも彼女、
三日月殿に魅入られたあとがあったなぁ〜」
膝丸「あの三日月宗近に?!」
髭切「うんうん。びっくりだよねぇ〜。
でもさ、僕も欲しくてさ、「痕」、残しちゃった」
膝丸「ふー…ん?!は、兄者?!」
兄者まで痕を残したのか?!
「神の痕」とは神に魅入られた証拠。
たとえどこにいたとしても逃げられはしない。
それは例えば死んだとしても。
未来永劫。輪廻転生の後、でも。
それは魂に刻まれているから。
たとえ生まれ変わったとしても魂は変わらない。
だから永遠に逃げることは敵わない鎖。
まして2人の神の印だ。
お前も難儀なものだな、人間。
そう思いながら、
俺は兄者と共に本丸へ帰った。
宗近「おや。帰ったか。主が探しておったぞ」
髭切「そっかぁ〜。ありがとう、如月。
ただ、僕はアイツを主だと思ったことは1度もない」
宗近「そうか、そうか。
だがな髭切よ。アレは俺のものだ。手を出すなよ?」
髭切「ふふ。2人以上の神に魅入られた時、
選ぶのは彼女だよ?君こそアレに手を出すな」
鶴丸「そりゃ聞き捨てなんねぇな。俺のでもある。
ま、まさか3柱の神に魅入られるとはな。驚きだぜ」
3柱の神に魅入られた娘。
お前はこれからも恐らく魅入らていくのだろう。
この本丸の歪んだ神たちに。
俺たちにとって、澄んだお前は甘すぎる。
すまない_______産屋敷菜愛よ。
膝丸「すまない、兄者。
そして鶴丸。3柱では無い。
_______4柱だ。」
アレが欲しいのは俺も同じだ。
119人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊織(元三日月)(プロフ) - 0× の所が無一郎が霞柱と隠のところにいますよ。これからも頑張って下さい (2020年12月2日 2時) (レス) id: 73bdd1a7af (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ご指摘ありがとうございます!たぶん治ったと思うのですが、まだ「上限」となっていたら教えていただけると嬉しいです! (2020年11月12日 21時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
al8056(プロフ) - 今思ったんですけど上限ではなく上弦ですよ (2020年11月10日 21時) (レス) id: 6b4ec52995 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サエル=クレメンス | 作成日時:2020年10月25日 11時