神憑きの鬼殺隊・終

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＊菜愛side





ハッと目が覚めた先に美しい川が見えた。
三途の川…死んだのか、と思ったのも束の間。

川の向こう岸には愛する弟と妹。
この世でただ3人の友が笑ってこちらを見ていた。






『耀哉…あまね……光明、夜菜、楼夏…』





もう死んだのだから素直に甘えてもいいだろうか。
いいよね…私、頑張ったよ。
皆の元へ行きたくて足を進めようとした。






夜菜「ちょっと、
何こっちに来ようとしてんのさ」


『ぇ…なんで……だって私……』


光明「勘違いしてんじゃねぇよ。
お前まだ派手に生きてんだよ。死ぬ気かよ」


『え……』


耀哉「うん、姉さんはまだ生きてるよ。
今は生死の境をさ迷っているんだ」


楼夏「だから菜愛は向こうに帰ってね。
鬼舞辻無惨を倒してからこっちにおいで」







そう……なんだ。私、まだ生きてるんだ。
ぶっちゃけ、今死んだ方が良かったと思った。
黒死牟との戦いで死んで皆の元に帰れたならって。

生きていたことに喜ぶべきか残念がるべきか。
死者を前に言葉が出なくなった。動けなくなった。







耀哉「姉さん」


『＿＿!!!!』


耀哉「貴女は私の自慢の姉で家族だよ」


光/夜「「仇を討ってくれてありがとう」」


楼夏「君の大切な弟妹が菜愛を待ってる」


耀哉「だから、行ってらっしゃい_______」







その言葉と同時に見えない手に押されて
川から遠ざかった。

どこかに投げ出された瞬間、現実に目が覚めた。
そこは私と黒死牟が戦っていた場所だった。







『あ"〜……身体が痛てぇな』


月満「散々無茶したんだもの。当然よ」


『現状報告を頼む』


月満「死者は蟲柱、珠世さんよ。
残りは上弦ノ肆と鬼舞辻無惨のみ」







結構いい感じに進んでるじゃないか。
見てるんだろ、耀哉、あまね、光明たちも。
君たちの仲間が、弟妹がこんなにも頑張ってるよ。

現世ノ水月が折られてしまった以上、
私の得物は鳳凰剣のみ。

少し遠くに飛ばされた鳳凰剣を取りに行き、
血で汚れた鞘に収めた途端、琵琶の音が響いた。







『おっ』／月満「あら…鬼舞辻無惨じゃない」


炭治「菜愛!!」


義勇「菜愛さん…」






目の前には鬼舞辻無惨がいた。
体全体に化け物の口を有し、髪が白い。
縦長の瞳孔は鋭く私たちを睨みつけていた。





無惨「しつこい」


『あん？』




感動の再会邪魔すんなよ、と私は睨んだ。
同時に炭治郎の呼吸が乱れ、怒りの音が響いた。

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