3.毒リンゴと王子様と【出水公平】

荒船さんと誕生日 ページ33

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皆、思い思いに食べたり飲んだりする中、
私は荒船さんを見つけた


今日はありがとうございます、と挨拶を交わす

それと同時にプレゼントを渡された



「開けても?」



「ああ、気に入らなきゃ捨ててくれ」



「荒船さんからのプレゼントを、私が捨てたことありました?」



「…ない、な」




笑いながら包装紙を剥がす

中には髪留めが入っていた




「か、可愛い………ありがとうございます!」


「それは俺からで、こっちは荒船隊からだ」




大きめなサイズのプレゼントに、私は首を傾げる
サイズの割りに軽い
板のような感じもする




「コルクボード…!
すごい!写真がたくさん…」




私が訓練室で狙撃を荒船さんから習っているところや、皆で撮った写真がコルクボードに飾られていた




「狙撃の訓練の時、加賀美が撮ってたらしくてな
部屋にでも飾ってくれると嬉しい、だとよ」




「大切にします」





他愛もない話をしながら、私たちは去年の誕生日を思いだした





「2人で誕生日祝うのも結構好きだったんだけどな……今年からはできそうにないな」




「………あの…今度、ご飯に行きませんか?
それでまた、祝ってください


私も、荒船さんと2人で誕生日会するの、楽しみだったので」




師弟関係のおかげか
とても話しやすい人の一人だった荒船さん


食事に行くのは年に2.3回
大体は私と荒船さんの誕生日を祝う目的だった




「………ははっ、出水と太刀川さんに許可はもらえよ
お前の食いたいとこに連れてってやるから」




「さすが荒船さん
もしあの2人が五月蝿いときは風間さんに頼みます」




「そりゃ安心だ」







楽しみにしてますね、と
穂刈さんたちと少し話してからその場を去った




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