毒リンゴと王子様と【出水公平】

23口目 ページ24

米屋とランク戦をしに、俺は本部へと来ていた







何回かランク戦をすると、向こうも流石に飽きて来たのか、他の相手を探すことに







「なぁ、あれって荒船さんとAじゃね?」






ちょうどカフェの横を通った時
米屋はその店内を指差した。






そこには確かに、荒船さんとAがいて






米屋は珍しそうな顔をする





「あの2人って、師弟関係だったんだっけ?

狙撃教わったんだよな、確か」




「あー、あれな。
物覚えの早い、優秀な弟子ができたって言ってたもんなー」




あの時の荒船さんは確かに嬉しそうだった


これだけは覚えてる。
まさか、その弟子が赤城だとは思いもよらなかったけど





「んんん?
あいつ、笑ってね?」





目を細めて凝視しだした米屋につられて
俺もつい見てしまった。







「はぁ?そんなわけ…………」







赤城の口元は確かに微笑んでいて


それを隠すかのように、コーヒーを流し込んでいた







「……見たこと、ねぇよ」









あんな姿、見たことなかった



初めて見るその顔は
俺にとっては複雑で



苦しくて



体に、重りがまとわりついたかのようだった









.









何で俺が



こんな感情を抱かなきゃならないんだよ。

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