チョコで世界は救えるか!? (ページ1)

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第1話　～私なんて大っ嫌い～ページ1

A「はい、あーん♪

どう？おいしい？」

ただいま、脳内創造したイケメンくんに料理上手で美少女の私が手料理をごちそうする妄想中。

「僕、Aの料理もAも大好き。」

えへへ～、私も大好きだよ～♪

?「···沢、神沢!」

ん···?

?「神沢!!」

A「ふげっ···!?」

がばっと起き上がった目の前にいたのは、イケメンくん··· ではなく、バーコードハゲこと物理教師の村山だった。

まずい、村山の物理で寝るのはご法度なんだった···

私は神沢A。

料理と妄想が大好きな高校2年生。

友達はほぼ0、クラス成績はビリ、妄想のような美少女でもない。

そして今、村山の物理で寝た罰として職員室呼び出し及び説教の刑に処されている。

村山「神沢、お前は最近たるんどるぞ! お前がまともな成績を取れるのは家庭科だけか!?」

最悪···

休み時間をすべて説教で潰されてしまったせいで、次の体育に遅れてしまった。

クラスメート「遅いよ神沢！早くコート入って！」

遅れた私がコートに滑り込み、バレーボールが始まった。

クラスメート「神沢！トス! トス!」

慌てて差し出した手首にボールが当たり、勢いよくバウンドして顔に直撃した。

A「ぐはっ」

?「あはは···」

痛む鼻を押さえて起き上がると、憧れの香坂くんが私を見て笑っていた。

そんなことの繰り返しで私のチームは惨敗してしまった。

同じチームのメンバーからの罵りは酷かった。

さらに、肩を落としながら昇降口を出ると、香坂くんが1年生の女の子に告白されているのを見てしまった。

少女「好きです、香坂先輩···」

そう言いながら手渡したのは綺麗にラッピングされたチョコレートだった。

あ、今日はバレンタインか···

本当に、私なんて大っ嫌いだ。