111話 まさか ページ15
「なーなー、次カラオケ行かね?」
「いーね!」
「Aちゃんも行こ!」
『はいはい』
蜂楽くんに手を引かれ、カラオケルームのあるエリアへと入る。何歌おうかなーっと考えていると、突然一つのドアが勢いよく開かれた。
「最低!誰この女!」
「どーゆーつもりでデートとか言ったの⁉︎」
出てきたのは2人の女性。二十代ぐらいだろうか、部屋の中にいる誰かに対して怒鳴りつけている。
「ちょ待ってよぉーいいじゃん3人で楽しめばさぁー」
「触んなこの浮気クソ男!」
「死ね!信じられない!」
『(うわ、)』
パンッと1人が強く平手打ちをする。それを見て痛そうだと思わず目を細めた。え、浮気現場?
「うわちゃー」
「(修羅場だ…)」
「見るな見るな」
『…あ、お姉さん!リップ落としましたよ…!』
平手打ちをしたショートカットの女性に声をかけ、慌てて駆け寄る。彼女は息を荒くし、眉を吊り上げながら振り返った。そしてイラついた様子でリップを私の手から乱暴に取った。
「どうも…!」
『あ、あの、あとこれよければどうぞ。さっき叩いて手赤くなってますよね?』
バッグの中から小さい瞬間冷却パックを出し、彼女に渡す。余計なお世話だとは思うけど…!
「…」
『えと…あ、あと外まだ寒いと思うんでカイロもどうぞ。叩いたら叩いた方も叩かれた方も痛いですから』
『自分の体、大切になさって下さい』とカイロを渡す。穏便に…!と眼鏡越しに笑顔を作る。すると女性は少し冷静になったのか軽くため息をついた。
「…そうね、大人気ないとこ見せたわ。あの男にも言っといて。もう二度と会わないからって!」
『は、はい』
「ふんっ、これありがと」
コツコツと靴を鳴らし、行ってしまった。ていうかあの男って誰のこと…?
「Aちゃん大人ー」
「だな…って、あ!」
『ん?』
小走りで潔くん達の元へと戻り、部屋の中を覗く。そこにいた人物は叩かれた頬を摩っていた。
「愛空⁉︎」
「痛ってぇ…お?お前らおっす」
中にいたのは愛空選手だった。まさかの当事者が元日本代表の主将…
「お前あんだけサッカーじゃ頼りになるのに…外じゃだらしないタイプかよ」
『これよければどうぞ、愛空選手…冷却パック…』
「あ、どもども…ってAちゃんじゃん。久しぶりー、てかお前らもオフ?こっちも皆いるぜ」
「え、」
『?』
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苺子(プロフ) - AYさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんストレスばかりですが、日々頑張って働いてます…((キャラの心情の変化を心がけて書いているので、そう言ってもらえるととっても嬉しいです(о´∀`о)更新頑張ります! (5月10日 19時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 夢主ちゃんの胃に穴が開きそう… 沢山休んで欲しい😭 あとだんだんと逆ハーになってて読むのがとても楽しいです!!更新頑張ってください! (2023年5月6日 14時) (レス) @page50 id: faf5f904a1 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ひかりさん» コメントありがとうございます!あなた様の小説拝見した事があります…!そんな人からコメントを頂けて嬉しいです🥰これからも応援よろしくお願いします…! (2023年3月17日 20時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - これは玲王様静かにブチ切れ案件っすね……☺️御曹司様はお強いですね…… (2023年3月16日 20時) (レス) @page47 id: 4a8f05344b (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 乃愛さん» コメントありがとうございます!可愛らしいイラストですよね!作者も気に入ってます(*´꒳`*) (2023年3月14日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺子 | 作成日時:2023年2月3日 17時