90話 嘘つき ページ42
『…よし、荷物はこれで全部かな』
この合宿所に来て早3日目。ホテルから荷物を回収して、合宿所の小さい一室で整理をしていた。
後で監督と愛空選手に挨拶もして…と考えていると、バンッ！と勢いよくドアが開いた。
『うわぁっ⁉︎』
「あ、Aちゃんみっけ」
『し、士道くん…』
今のでドアが壊れたんじゃないかって程の衝撃。足でドアを乱暴に開けたのは士道くんだった。この時間帯って練習なんじゃ…
『士道くん、練習は…？』
「閃堂とかいう奴がうぜぇからサボり。アイツらとやってても俺の気持ちが爆発しねぇ」
『ええ…』
本当に大丈夫なのだろうかと不安になる私を他所に彼はドアを閉め、私の隣へと座る。
『(…？今士道くん鍵閉めなかった？)』
「なー、ホントに今日で戻んの？」
『え？あ、嗚呼…でもそういう約束だし…ていうか、今回何で私を呼びつけたの？』
「んなのAちゃん独占したいのとあのクソ凛ちゃんが嫌がると思ったから」
『それは多分ないと思うけど…まぁバスまで時間あるからまだいるけどさ』
「ふぅん」
『…』
「…」
『…！』
「待て待て待て」
数秒の無言。
その無言の空気に謎の危機感を感じ、反射的に立ち上がったが彼に服を掴まれ引っ張られる。
『怖い怖い！今何か怖い予感がした！』
「何もしねぇって♡ほらほらこっちおいでー」
『ちょっ…わかっ、たから…！服引っ張らないで！』
半ば諦めて席に座り直そうとする。すると、
『うえっ、』
腰を掴まれ、彼の膝の上に座らせれる。恥ずかしくて離れようとするが、後ろから抱きしめられそれは叶わない。
『お、重いし降ろして…！』
「いいから」
耳元で囁かれ、ぎゅう…と抱きしめられた。彼に何度もハグされたことがあるが慣れるはずない。し、心臓の音聞こえてない…？大丈夫？
「暫く会えないからその分のハグな」
『…っ、』
「いー匂い…香水？」
『ひっ…！』
うなじに彼の鼻先が触れるのがわかる。はっずい…！死ぬ…！
『た、多分柔軟剤とかじゃ…香水つけない、し⁉︎』
カプッとやさしーくうなじを噛まれる。首に触れられるだけでもくすぐったいのに、それは無、
『あっ…！』
「(あ、ホクロ)」
『ち、ちょっと士道くん、それやめ…！』
「(あー、Aちゃん知らないんだろうなー)」
「(ホント、可愛いわ)」
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苺子(プロフ) - kaedeさん» コメントありがとうございます！隙あらば夢主ちゃんに構ってアピールする士道くんです（） (2023年1月20日 19時) (
レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
kaede(プロフ) - あは。もうありがとうございます。士道くん最高すぎて逝きそう (2023年1月19日 21時) (レス) @page42 id: 426304659c (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しいです…！更新頑張ります (2023年1月19日 21時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 朝花さん» ご心配ありがとうございます。これからもこの小説を読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いします (2023年1月19日 21時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 朝花さん» 分かりました！なんかすみません🙇 (2023年1月19日 6時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺子 | 作成日時：2022年12月25日 20時
