44話 見てる ページ45
「気持ち悪りぃ…」
『いやそんなはっきり言わなくても…でもその反応、多少は自覚があるってことですよね?オーバーワークからの回復はしっかり休養を取ることです』
そう伝えると彼は尚顔をしかめる。そんなに嫌がらなくても…気持ち悪いって自覚はあるよ私も。
「なんでんなこと分かるんだよ」
『何でって…』
『見てるから?』
「は?」
『いや上から目線な物言いで悪いんだけど、糸師くん私が見てる限りでも1番うまいと思うし、何て言えばいいんだろ…綺麗なフォームではあるんだけど貪欲っていうか野心家っていうか…』
うーんと考える。人のことを見るのは私の癖。でもここまでするすると言葉が出てくるのは初めてかもしれない。ただ少し抽象的過ぎるか?
耳に髪をかけて無意識に言葉をぼやいた。
『見ててゾクゾクするっていうか____』
あ、やば。と口元に手を当てる。更に気持ち悪い発言をしてしまった。と彼の方をチラッと見る。
「……」
糸師くんは少し驚いた顔をしていた。
いやでも本当に少し。しかしその表情はさっき見たものとは違うような…
「…やっぱり気持ち悪りぃ」
『やっぱりって何⁉︎』
はぁ…とため息をついて救急箱を肩にかけ直す。まぁ色々オーバーワークについて説明はしたし、彼もその危険が分からない人ではないだろう。私も早く部屋に戻ろ…今だけで何回気持ち悪いって言われたんだろ…
『取り合えず今日はもう戻って寝て下さい。それじゃあ…ぐえ、』
「おい待て」
胸ぐらの次は首根っこを掴まれる。横を向けば彼の顔が近くにあった。
「スポーツドクターっていうのはトレーニング内容のサポートもあるんだよな」
『え?まぁ…』
「俺のを徹底させろ」
『そ、それは別に構わないけど…でも糸師くんだけ優先するのは無理が、』
「あ“ぁ?」
『…やらせて頂きます』
何でこう意固地なの…イケメン怖い…
『あと糸師くん苦しいから離して…』
「……名前」
『ん?』
「名字で呼ばれるのは嫌いだ」
『…あ、そうなの?じゃあ凛くん?』
パッと手を離され彼はスポドリを飲む。私が凛くんと呼ぶと無言だった。まぁ罵声が飛んでこないってことはこれでいいのだろう。
『(……糸師って新世代
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苺子(プロフ) - ぺんぺんさん» コメントありがとうございます!読んで頂き嬉しい限りです(*´꒳`*)これからもよろしくお願いします! (2023年3月18日 23時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぺん(プロフ) - 最初からとっても面白いので、ついつい熱中して呼んでしまっています・・・。これからも頑張ってください!! (2023年3月17日 20時) (レス) @page28 id: 0923c869aa (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!今あなた様に出会えたことに感謝です((更新頑張ります!(*'▽'*) (2023年3月15日 22時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼します!もっと早く見つければ良かったです。好きです!応援してます (2023年3月14日 13時) (レス) id: 0e75ff5f17 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます!雪宮くんに振り回される夢主です((これからもよろしくお願いします…! (2023年2月4日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺子 | 作成日時:2022年11月29日 16時