18話 爆発 ページ19
『…はい、はい。チームWとチームZ…あ、チームZが勝ったんですね!』
廊下を歩きながら耳につけたインカムで帝襟さんから試合の結果を聞く。今は違う棟に居て残念ながらチームZの試合は見れなかった。でも潔くんたち勝ったんだ、良かった。
『はい、次はチームV…わかりました。映像の確認と待機しておきます』
話を聞く限り千切くんが活躍したらしい。足の件があって心配だったが本人なりに吹っ切れたものがあったのだろう。
『(取り合えずよかっ、)』
「おい馬鹿やめろ!」
騒ぎ声が聞こえ、ん?と顔をあげる。何だ?トレーニングフィールドからだ。扉に近づき、何事かと確認をする。
「だーかーらー、」
「てめーらが俺の爆発についてこれねぇのが悪いんだろ。つかお前反応悪すぎ。引っ込んでろ」
1人の選手が殴られたのか頬を押さえた選手に向かって舌打ちをする。周りの選手達は慌てふためいていた。え、何、暴力沙汰?小走りでフィールドの中に入っていくが、選手達は私に気づいていない様子。
「はっ、はぁ?てめふざけ、」
「俺の爆発についてこれねぇ
『ちょ…!』
選手が右足をあげる。今にも振り下ろされそうな足。
反射的に走り出して選手達の間に割って入る。そして肩にかけていた少し大きめの救急箱でその足を防いだ。
「あ?」
「…⁉︎」
ガンッと鈍い音が響く。しかし相手も相手でどれだけ力を込めていたのか、私の腕にもビリビリと痺れが伝わってきた。心の中で謝りながらも足を振り上げた彼を見た。
『ぼ、暴力がすぎると失格扱いになりますよ』
「…」
シンッ…と周りが静まり返る。…いや何か言って!今無茶苦茶怖いから!ていうか私も殴られるのではと顔から血の気が引く。
色黒の肌にピンク色の目。あ、いいなピンク可愛い。と現実逃避したいのかどうでもいい事を考える。そして罵詈雑言が飛んでくると身構えた。
「あー?」
『…!』
顔を近づけられる。ヤバい殴られる?
しかし次に飛んできた言葉は予想の斜め上のものだった。
「かわいー女子じゃん」
『…ん?』
「俺とイイコトしない?♡」とにっこりと笑う彼に、後々暴言を吐かれた方がいいと後悔することになる。
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苺子(プロフ) - ぺんぺんさん» コメントありがとうございます!読んで頂き嬉しい限りです(*´꒳`*)これからもよろしくお願いします! (2023年3月18日 23時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぺん(プロフ) - 最初からとっても面白いので、ついつい熱中して呼んでしまっています・・・。これからも頑張ってください!! (2023年3月17日 20時) (レス) @page28 id: 0923c869aa (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!今あなた様に出会えたことに感謝です((更新頑張ります!(*'▽'*) (2023年3月15日 22時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼します!もっと早く見つければ良かったです。好きです!応援してます (2023年3月14日 13時) (レス) id: 0e75ff5f17 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます!雪宮くんに振り回される夢主です((これからもよろしくお願いします…! (2023年2月4日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺子 | 作成日時:2022年11月29日 16時