15話 ハグ ページ16
…とまぁ、こういった経緯がありまして。
だらんとした様子の凪くんを見てため息をついた。
『…それじゃあ幾つか質問いい？体調の確認したいから』
「どうぞーめんどくさいけど」
チームVはここの棟で1番の成績を収めている。彼もその結果に貢献してる選手だ。
『(不思議な人。掴みどころがない)』
会話をしながらペンを走らせる。…ここでの食事は決められてるからあれだけど、普段からあんまりちゃんと食べてないのが不安だな…ゼリーだけってどんだけ面倒くさいんだ。
『…しっかり食事を取ってください。面倒くさいからと言って食べないというのは避けて下さいね』
「えー…」
『他に何かありますか？やってほしいこととか』
うーん…と考えながらスマホを伏せる。一段落ついたのだろうか。するとおもむろに「あ、そうだ」と言ってこっちを向いた。
「この前テレビでハグをするとストレスが軽減するって言ってたけどあれってホント？」
『あー、確か7秒とかだっけ？ホルモン物質が分泌されてそう言った効果があるっていうね』
「んじゃ、はい」
パッと長い腕を広げる。その行動の意図が分からず、ん？といった顔をする。
…え、何を求められてる？
「俺のストレス軽減のために。はい、」
『……自分で自分を抱きしめるとか』
「それこそ面倒くさい」
『ええ…』
「ぎゅーされたらトレーニングとかも行けそう…な、気がする」
冗談なのか本気なのか。しかし彼の気怠げな目からはからかってる様子は感じられない。
…数秒だけならいいのか？うーん…
「ダメ？」
『うっ…』
「はいぎゅー」
『ちょ、ちょっと待っ』
気の抜けた声でハグをされる。いきなりのことで体が硬直して部屋には静寂が訪れる。
…し、心臓の音が煩い。と思いながらも自分を落ち着かせるため彼の背中を優しく叩く。
『…』
「…」
『…何か変わった？』
「んー…」
ゆっくりと凪くんが離れる。え、何その物足りないって顔。心なしか口がバッテンになってる気がする。
すると丁度部屋の扉が開いた。
「おい凪。やっぱりお前もトレーニングに参加を、」
「だからさー斬鉄。凪は別にやらなくたって…あ、」
「やっぱりハグしてる時間が短いのかな。もう一回」
『ひいぃ…！』
ポスッと今度は私の胸元に頭を預けられる。
流石に発狂案件。勘弁して。
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苺子(プロフ) - ぺんぺんさん» コメントありがとうございます！読んで頂き嬉しい限りです(*´꒳`*)これからもよろしくお願いします！ (2023年3月18日 23時) (
レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぺん(プロフ) - 最初からとっても面白いので、ついつい熱中して呼んでしまっています･･･。これからも頑張ってください！！ (2023年3月17日 20時) (レス) @page28 id: 0923c869aa (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます！今あなた様に出会えたことに感謝です((更新頑張ります！(*'▽'*) (2023年3月15日 22時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼します!もっと早く見つければ良かったです。好きです!応援してます (2023年3月14日 13時) (レス) id: 0e75ff5f17 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます！雪宮くんに振り回される夢主です((これからもよろしくお願いします…！ (2023年2月4日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺子 | 作成日時：2022年11月29日 16時
