【天知要】 チョコタルトの恋愛魔法-again- 【魔法少年あまち☆カナメ】

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――あれから数日。

最初は変な奴だと思っていたが、話してみると意外と話があったりするせいで
今では普通に会話を交わすようになっていた。
屋上で昼寝をするのが日課だった私にとっては邪魔な存在かと思えば、
漫画の新刊やアプリゲームの対戦など、
それなりに楽しいものを持ってきたり提案してきたり。

しかし出席日数を気にしはじめてあの日以来、屋上へ向かうのは放課後だけだった。
すぐに帰れば良いのにと友人も言うが、そんなことしたら女子生徒で大渋滞が起きる。
好意を抱いてくれるのはありがたいが――正直、迷惑な話だ。

時刻は午後1時過ぎ。
昼食の時間も終わり、授業再開。
といっても、やる気なんて全く起きないからと窓の外をただぼーっと眺めるだけだった。

校庭ではクラス混合で男子はサッカー、女子はテニスの授業。
理解の出来ない数学の公式を聞き流しながら、ふとサッカーコートに目をやる。

――あ。

あいつだ、毎日放課後になると屋上に現れる、あの自称紳士だ。

華奢な体にはやはり体力が無いらしく、
3階のこの教室からでも呼吸で肩が上下しているのがわかる。
試合が終わって待機場所へ向かっているようだ。

しばらく眺めていると、彼がふとこちらに気付く。
虹を見つけた子どものように、大きくて明るい笑顔になったかと思えば
それよりも大きく手を振られる。

そんなことをしたらファンクラブの男らがこちらを向くのも当然で、
私はすぐに視線を逸らした。

手振り返さないで、ちょっと悪いことしたかな。

あとで弁解しよう、と授業が終わるのをただじっと待つことにした。

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