7/ ページ7
『何で私のことを知って……。』
「そりゃ、生徒会の方でも噂が立ってるからね。
あ、そこに置いてあったクッキー食べちゃったよ。
僕、昼から働きっぱなしでお腹空いちゃったから。」
『流石本会、話が早いな。いや、クッキーはどうでも良いんだけど……。』
“天知要”
私は彼のことを全く知らないわけではなかった。
数少ない友人に無理やり入れられた団体で、彼の話は何度も耳にしている。
私と同じ境遇であって、私とは正反対。
名前は良く聞くが、実際に見るのも話すのも始めてだ。
「本会って？ 」
『関係ねぇだろ、だから早く降りろって。』
「もう、しょうがないなー。」
やっとの思いで彼を押しのけると、
ん、と差し伸べられた手を掴んで自分も座った。
「さっきから思ってたんだけど、折角可愛い顔してるんだから口調直さない？
まぁ人の口調にとやかく言うつもりはないけどさ、勿体無いよ。」
『別に良いだろ、大体私より断然天知の方が可愛いって……』
言葉を途中で遮られる。
後頭部に添えられた手を思い切り引き、ズイ、と私の顔を自分のすぐ側に持ってきた。
「僕は、可愛くない。それと、さっきの本会の答え、聞いてない。」
答えて、と真剣な眼差しをこちらに向ける。
その距離、前方およそ3センチ。
くそ、口が滑った。
ふ、と口角を上げて私は答えた。
『私達は敵同士、教えることなんて出来ない。』
「何それ、つまんないの。じゃあもうひとつ質問。
――女の子、したい？」
『どういうことだよ。』
「Aちゃんに集ってくる女子みたいに、可愛いに包まれたい？ってこと。」
可愛い服を着て、繁華街を歩いて、甘いケーキを食べるためにお店に並んで。
私とは無縁の人生が脳裏に浮かんだ。
『そりゃ、可愛い服も着たいし、甘いケーキのために友達と並んで、
待ち時間に色々な話もしたいけど、それは私とは無縁なんだよ。』
少し感情的になってしまったことに反省する。
『……ごめん。』
「……よし、女の子しよっか。」
『は？ 』
突然の発言にきょとんとする。こいつは何を言っているんだ。
「Aちゃんが求めている女の子は今度しよう。
今回は――もうひとつ上の女の子、しちゃおうよ。」
徐々に離れていた顔が、また引き寄せられる。
「さっき可愛いって言った、罰も含めて。ね？ 」
にやり、彼の口角が悪戯に上がると同時に、唇に不思議な違和感を覚えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リル(プロフ) - うああっ！久々の戦闘シーン！夢主ちゃんかっこいい〜。 (2018年6月18日 19時) (
レス) id: 2e93d67cbd (このIDを非表示/違反報告)
ミッシェル(プロフ) - あかりさん» ありがとうございます〜〜！めちゃめちゃ嬉しいです！もっと可愛くかっこよく魔法少年キラキラさせないとですね！頑張ります！ (2018年3月30日 14時) (レス) id: a50b082e12 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - いや、そーいう意味じゃなくて、要ちゃんが可愛いすぎてヤバいんです！ミッシェルさんの要ちゃんも、可愛いくて、かっこよくてヤバい！ (2018年3月30日 13時) (レス) id: 2e93d67cbd (このIDを非表示/違反報告)
ミッシェル(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます〜！私も書いてて性格が迷子になりつつあってヤバいと思ってます(( ちょこちょこ更新しますのでその際はまた見ていただけると嬉しいです！ (2018年3月27日 17時) (レス) id: a50b082e12 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - 要ちゃんヤバいなぁ……。更新頑張ってください！ (2018年3月27日 16時) (レス) id: 2e93d67cbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
