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――
階段騒動から数日。
結局あの日は、コーヒーを飲み干した後は絶対安静と要に念を押されて
真っ直ぐ家に帰ることになった。
要に家まで送ってもらい、その道中は何度も何度も私の体調を気に掛けてくれた。
――案外優しい奴なのかも知れない。まぁ、一時の錯覚じゃなければいいが。
念のため、と病院へ行ったりまだ安静にしてろと言われたりして、
結局屋上へは数日間来れず仕舞い。
今日こそは、と屋上へと向かうと、驚くほど日差しが気持ちよかった。
いつもの場所で、いつもの体制で、いつものように眠る。
軽く寝返りを打てば、動かした手に何かが触れていることに気付く。
眠気眼を擦ってゆっくりと目を開ける。ぼやけた視界に、空色が移り込む。
夕暮れに照らされた、晴れた日の空の色。握られた手、隣で眠る君。
風になびいた髪が、ふわふわと揺れ動く。
――まつげ、長いな……。
思わず、握られていない方の手が伸びる。
空色髪の君の目元に、優しく触れた。
「――えっち」
『要に言われたくないね。』
要「俺がいつそんなことを? 何をしたって言うのさ? 」
『忘れたとは言わせないよ、丁度ここだった。』
伸びをして、体を起こすと、要もそれに続いて体を起こした。
要「へぇ、俺が、ここで、何をしたんだっけ?
――ねぇ、教えて? 」
ずい、を私に覆いかぶさった要は、私に顔を寄せた。
思わず、目を逸らす。
要「顔真っ赤、俺のこと、意識してくれてるんだ。嬉しいな〜。」
悪戯に笑う彼が、コツン、と私のおでこに頭を合わせる。
要「このままキスしちゃいたいけど、今日は別件。
はい、これ。生徒会倉庫から拝借してきたんだ、どうせ持って無いでしょ?」
『なにこれ。』
パッと要が離れたかと思うと、側に置かれていた紙袋を手に取って押し付けられる。
要「女子生徒用の制服のスカート。」
『……はぁ!? これを穿けってこと? 』
要「さっすが〜、話が早くて助かるよ〜。さ、僕は後ろ向いてるから。」
くるり、後ろを向いて体育座り。
『何で私が……。』
興味が無いわけではなかった。だから、渋々穿き変える。
要「もったいないよ、綺麗な足してるだろうし。」
『あぁ、太ももが好きなんだっけ……。』
要「ちょっと待って! それどこで聞いた……の、」
バッ、と振り返った要が私の顔と足元を交互に見つめる。
『ちょっと、あまり見ないで……。』
要「……やば、ちょっと抑えられないかも――・・・」
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リル(プロフ) - うああっ!久々の戦闘シーン!夢主ちゃんかっこいい〜。 (2018年6月18日 19時) (レス) id: 2e93d67cbd (このIDを非表示/違反報告)
ミッシェル(プロフ) - あかりさん» ありがとうございます〜〜!めちゃめちゃ嬉しいです!もっと可愛くかっこよく魔法少年キラキラさせないとですね!頑張ります! (2018年3月30日 14時) (レス) id: a50b082e12 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - いや、そーいう意味じゃなくて、要ちゃんが可愛いすぎてヤバいんです!ミッシェルさんの要ちゃんも、可愛いくて、かっこよくてヤバい! (2018年3月30日 13時) (レス) id: 2e93d67cbd (このIDを非表示/違反報告)
ミッシェル(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます〜!私も書いてて性格が迷子になりつつあってヤバいと思ってます(( ちょこちょこ更新しますのでその際はまた見ていただけると嬉しいです! (2018年3月27日 17時) (レス) id: a50b082e12 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - 要ちゃんヤバいなぁ……。更新頑張ってください! (2018年3月27日 16時) (レス) id: 2e93d67cbd (このIDを非表示/違反報告)
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