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純「ほんまにありがとう」
「こちらこそ奢ってもらっちゃって…」
純「ほんま気にせんで？な？」
今、俺は目の前でのイチャイチャを見せられてるのは
なんでだろう。純喜くん、デレデレじゃん。
「じゃあ、私はこれで…」
碧「俺も帰りますわ。課題あるし(笑)」
純「おん、またな！」
翔「じゃあ俺も…」
碧「Aのこと宜しくー」
翔「え？」
先に歩き出した2人を見送ってると
「木全くん、家どっち？」
翔「こっちなんだけど…」
2人が行った駅とは違う方を指さすと
「私も…(笑)」
翔「えーっとじゃあ、行こうか(笑)」
思わぬ2人きりという状態。
少し距離を空けながら歩くいつもの道は
慣れてるのに、一気に緊張が…。
「あっねぇ、木全くん」
翔「ん？」
「さっきの銘店のやつ…興味ある？」
翔「うん、行こうかなーって思ってるんだよね(笑)」
「それ…私も行こうかなーって思ってて(笑)」
翔「そうなの？！」
「あの、チョコレート…食べたいし」
これ、俺、チャンスだよね？
「あの「あのさっ」
「木全くんから…」
翔「Aちゃんから…あ、やっぱり俺から言う！
…一緒に行かない？」
「ふふっ、行く(笑)」
翔「めっちゃ被ったね(笑)」
「うん(笑)」
駅に着くのが早くて
翔「どこの駅で降りるの？」
「えっと…」
聞いたら俺の一個先だった。
乗り換えはないんだけど結構時間は乗ってるんだよね。
改札を抜けて電車に乗り込むと
翔「混んでるね」
「意外とねー」
ってちょっと距離を空けて乗れるくらいは空いてて
目の前に立つ彼女は思ってたよりも小さくて
「ねぇねぇ、これも美味しそうじゃない？(笑)」
翔「どれ？」
「これこれ…」
翔「…ごめん。近かったよね(笑)」
「あっ、いや、近すぎるとかじゃなくて…」
携帯を覗き込むと自然と近すぎて
気付いたらってパターンが…
翔「あっ席空いた」
「木全くんは？」
翔「俺はいいの」
彼女を、座らせて俺は前に立つんだけど
この距離感だと小声で話す声は聞こえないから
話す事はなくて、ただいつもと同じ風景の窓の外を
ぼーっと眺めるだけで…
何駅過ぎたかな。服の裾をクックッて引っ張られて
翔「ん？」
「空いたよ」
って席をぽんぽんって叩く姿に
いつもの長い電車の時間も悪くないなって
思っちゃったんだよね。
あっ勿論…表には出さないよ？
内緒。
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作者名：Chii。
| 作成日時：2021年10月5日 23時
