【本編小説】この夏は君と。 (ページ4)

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◆招待状［冬涙雪］ページ4

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まだぼんやりとした頭を無理やり起こしながらベッドから起き上がる。

今日も天気がいい。
もうすぐ夏が始まるからかな。結構暑いなぁ。

ちょっと暑苦しいかな…と、悩みながらも長袖の目立たなそうな黒いシャツに腕を通し、襟にループタイを通す。

透き通った透明のような白のような色の宝石がカーテンの間から漏れる光に照らされて、キラキラと反射する。

颯爽とカーディガンを羽織りながら、自分の部屋を出て、階段を降りる。

「ゆきー！手紙と新聞来てないか確認してくれる～？ちょっと、話聞いてるのー？」

今日も朝からお母さんはとても元気みたい。

面倒だなぁと思いつつも、逆らう気力もなかったので、嫌々従う。

ポストを開くと、中にはいつも通り新聞と2、3通程の手紙やハガキが入っていた。

慣れた手つきで、手際良く手紙を取る。

「…あっ！」

掴んだと思った手から、真っ白な封筒に入った、一通の手紙がはらはらと風に揺られて落ちていった。

手紙を拾って、少しだけついてしまった汚れをを払う。

他の手紙とは違って、少し分厚い、しっかりとした封筒。
持った時も思ったが、少し重みがある。
中には手紙以外のなにかが入っているようだ。

なにが入ってるのかな？
変わった手紙に、少し興味が湧いてくる。

裏返して、宛名を確認をする。

宛名は………

「えっとー、冬涙……雪様。え！？」

私宛？なんで？ていうか、誰から？

分からないことが多く、逆に不安になりつつも、少し震えている指先で、封筒の封を切る。

中には数枚の写真と手紙。
写真に写っている場所は、どれもこれも本当に綺麗でとても魅力だ。

2つ折りの手紙には「ここで、ひと夏の思い出を作りませんか？」という、青い文字。

とてもシンプルなデザインの手紙には、かなり長文の、私への招待状が入っていた。

鍵の宝石は白い。
濁っているようにも、澄んでいるようにも見える。とても複雑な感想を持たされる宝石だ。

なんという宝石かとまでは分からないが、とても綺麗で美しい。

学校の登校時間が刻々と迫ることを忘れて、鍵を太陽の光に照らしながら、私は招待状の返事を考え続けた。