イン・ザ・ショコラ 5th *Ryosuke.Y*

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カレン「…Aちゃん、顔色悪いよ？」


A「へ…？」


病は気からと言うように、そう思ったら負けだ。


風邪かな、と思いながら熱を測ったら怠さが増すだろうからやめておいた。

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朝起きた時から目眩がしてたんだよな。


でも普通に歩けたし朝ごはんも食べれたし、熱があっても然程高くないだろう、と判断して学校へ来た。


来たはいいけど、頭はグラグラしてボーッとするし授業はまるで頭に入らない。


…どうしよう。絶対熱あるし。

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なんて思いながらやり過ごして、6限目。


カレン「保健室行った方が…」


A「…大丈夫。これで最後だし。」


カレン「そう…？」

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もしかしたら風邪移しちゃったかもな…


カレンちゃんなんてこの前風邪ひいてたのに移してたら申し訳ない…


カレン「Aちゃん、今日の部活は…」


A「あー…ごめんね、部活は休むことにする。」

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カレン「先生に言っとくね。」


気合いで乗り切った授業は終わって、ふらふらと歩いて帰っていた。


…薬…家にあったかな……スポーツ飲料とかもほしいし。


…怠いし熱い…これ何度だ。さすがに帰ったら熱測ろう…

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一度通り過ぎた近所のスーパーまで戻ろうと踵を返した。


人通りの少ない裏道の入り口を目指して歩いていたら声が聞こえた。


「…っ、…ちょっと…！」


A「…っ、」

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…伊樹先輩だ。


あの人に会うのはあんまり嬉しくない。


見つかる前にスーパーに逃げ込もうと思ったけど、そうもいかなくなった。


伊樹「やめっ…！」

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「いくら払えばやらせてくれるの？この前はほら…」


ガシ、と先輩の腕を掴んで引っ張るスーツ姿の男の人は全く見覚えがない。


伊樹「やだってば…！気持ち悪い…！」


A「…。」

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見て見ぬ振りしよう…


私だって知らない男の人なんて怖いし。


A「は、離して、…くださいっ…！…その、…手…。」


伊樹先輩を助ける気なんてなかった。

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