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【備考(続き)】
しかし、高校に入学してから数日目に彼女は学校で倒れてしまう。病院に緊急搬送され、入院を余儀なくされた。すぐに退院出来ると思っていたのだが、不安定な状態が続いているとの事で、しばらく学校には通えず、そのまま入院することになった。1年間を病院の病室で過ごすうちに、学校の勉強にはもう追いつかず、留年してしまうことが決まり、泣く泣く通信制の高校に編入。ほとんど病室から出ることの出来ない日々が続いた。
最初こそ「早く治して早く学校に戻りたいな」と言っていた彼女だったが、本当に戻れるのか不安になり、だんだん精神的に少しずつ病んでいった。通信制の高校に編入した頃からは、ストレスで声が出なくなり、人と言葉でコミュニケーションをとることができなくなっていた。
彼女が声を出せなくなる頃には、彼女の母も精神的に病み始めていた。母はお見舞いに来る度にいつも「強い身体に産んであげられなくてごめんね。」と泣いて白兎に謝っていた。ママは悪くないの、ごめんね、そう伝えようとして口を開いても声はひとつも出ず、伝えることは出来なかった。父は白兎の医療費を稼ぐのに忙しく、なかなか家に帰れていないようだった。
私がいなければ、ママは前みたいに笑っていてくれる。私がいなければ、パパはまた家にいてくれるようになる。そんな事実だけが、彼女の頭ではずっと回っていた。何も無い殺風景な病室で彼女はそんなことを考えてしまった。そんな中ある日きた母が「白兎、辛いよね、私のせいだ…ごめんね。」といつものように謝ってきた事で彼女の中で張り詰めていた糸が、プツンと切れてしまった。
病室を抜け出して、昔両親と一緒に来たことがある海まで歩いてくると、少しずつ海に体を沈めていった。太ももまでが海に沈んだ頃、修道女は彼女の前に現れた。その修道女から聞いたのは中学時代に風の噂で聞いた「深海のまち」の噂。そんな場所が本当にあるなら、両親が笑って暮らしてくれるなら、彼女は藁にもすがる思いで修道女に深海のまちに連れて行って欲しいと懇願した。修道女は「行けるかどうかは貴方次第。」と言って深海のまちに行く方法だけを伝えて消えてしまった。
そして彼女はシスターから聞いた噂をその日の夜に実行し、深海のまちに向かった。もちろん誰にも何も告げずに。
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しのちょこ(プロフ) - 和椛 湊さん» 返信遅れてすみません…！大丈夫ですよ、お待ちしております。 (2020年7月3日 5時) (
レス) id: 54db465937 (このIDを非表示/違反報告)
和椛 湊(プロフ) - しのちょこさん» コメントありがとうございます。ぜひぜひ組ませて頂きたいです…！よろしければ、しのちょこ様のボードにお邪魔させて頂いてもよろしいでしょうか？ (2020年6月27日 23時) (レス) id: 4b9dcac783 (このIDを非表示/違反報告)
しのちょこ(プロフ) - コメント失礼します。企画に参加させていただいた、しのちょこです。もしよろしければ篠木神蘭、篠木神零と関係を組んでくれないでしょうか？ (2020年6月27日 23時) (レス) id: 54db465937 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和椛 湊 -wakaba sou- | 作者ホームページ：なし
作成日時：2020年6月26日 21時
