混血皇女【オリジナル】 (ページ7)

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見世物小屋で 2 ページ7

「…な、何するんですか…っ！？」
「初指名だ。行け。」

女たちはこう言った。

「教えただろう？とにかく分からなければ客に任せときなんし。」
「私たちにとってあんたはいらない存在じゃないから。可愛い教え子みたいなもんさ。」

『邪魔』
少女が言われ慣れてしまった言葉。
しかし女たちは邪魔ではない、と言ってくれた。自分を必要としてくれている。

種族間で言われた、あの言葉たち。
『姫様、狐の血を引いてんだって？それで姫扱いはなぁ…』
『狐…龍一族には邪魔な存在。』

自分が、自分と弟は違う。
だって自分たちは龍と狐の混血児。禁忌の末に生まれてきた忌み子。

2つの種族の血が交じり、穢れるとまで蔑まれる自分と弟は『独りきり』なんだって。

「上玉だねぇ。お嬢ちゃん。」
「ありがとう、ございます……。」

その後はもう言わずもがなだ。
羽菜……ここでは蓮月というべきか。

蓮月の《何か》が失われたような、そんな気がする。もちろん、本人に自覚症状などないが。

綺麗なままで朝を迎えることはない。
これがこの業界の常識らしい。

髪や衣服が乱れ、半分程度裸に近い状態で朝が来る。
そんな朝日は一生でこれまでに無いほど眩しすぎた気がした。