運命なんて信じない８ (ページ12)

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無事に撮影が終わった。
颯太さんも満足したようで安心。
後は完成を待つだけ。

もう家族全員の顔が知られることになるけど
少しの間だけ騒がれるだけ。
すぐに別の話題に興味は移っていくから。

舞香が“ray”だったことも分かるけど
舞香は“ray”の存在自体を覚えている人はいないから気にしないって言ってる。
確かに“ray”の活動期間は短かったし
引退してからも15年経ってるからね。
舞香の言うとおりかもしれない。

とにかく完成が楽しみだ。

４月
凜は１年生になった。

凜の入学式には俺も出席した。
幼稚園の時とは違い
今度はきちんと保護者席に座った。
幼稚園時代から一緒のパパ友ママ友がいて安心。
多少、まだざわつかれるけど気にしない。
凜のお友達のパパママも
俺のことを特別扱いしないで普通に接してくれる。
それが俺には心地良いんだ。

１年生の名前が呼ばれる。

先生「目黒凜くん。」

凜「はい！」

おー、元気な声で返事出来た。
隣の舞香を見ると、ハンカチで目を押さえてる。
もしかして泣いてる？

『泣いてんの？』

「…うん。大きくなったなぁって。」

『確かにね。大きくなったよ。』

「それにこうやって蓮くんと一緒に座れるなんて、凜が生まれた時には想像できなかったもの。」

『そうだね。堂々と父親って言えるからな。』

「うん、凜もきっと嬉しいよ。」

何だか俺も涙が出そうになってきた。
大きくなった凜の姿はキラキラと眩しかった。

正門前で記念撮影をしていると

拓「れーん！久しぶり。」

あ、拓海だ。
そっか。拓海んちの柊斗くんも１年生だ。

『おー、久しぶり。』

拓「親子揃って良かったな。」

『ん、さんきゅ。』

凜と柊斗くんは、いわゆる幼なじみ。
幼稚園から仲が良くて、昔の俺らみたいだ。

『あ、そう言えば誕生日プレゼントさんきゅ。』

拓「あーあれね。どうだった？」

『お前らしいけど、あれはすごい。』

拓「だろ？持つべきは友ってさ。」

『いや、マジであれの破壊力、半端ねーし。』

拓「俺に感謝しろよ？」

『マジで感謝。』

背後に殺気を感じる。

「…蓮くん？何の話？私にも教えて。」

拓「やべっ。舞香さんじゃん。ごめん、また後でな！」

すごい勢いで逃げてった。ずるい。
その後、舞香にこっぴどく怒られました。
はい、ごめんなさい。

と、まあバタバタしたけど
無事に入学式を終え
凜は１年生になりました！