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始まりが曖昧というか…
出会いがお見合いで、でもそれはきっかけにすぎなくて…。
学校の同級生だとか、会社の同僚とか…
はたまた合コン、友達の紹介とか…
そういう普通の始まりではなかった。
けど翔さんの中ではお見合いだったという認識が強く、最初から結婚を意識しているような言動が多々あったから、私もそういうものだと受け入れていたけど…。
華道の家元の御曹司さんと私とじゃ身分の差がありすぎるんじゃないかと…
嫁として務まるのかと、翔さんの話を聞いて現実味を帯びて今更ながら不安で怖くなった。
「お前を傷つけるのは例えお前自身でも許せない。お前を傷つけていいのは俺だけだ。」
どこまでも俺様の翔さんは私をギュ〜ッて抱きしめてくれる。
力強い腕の中はとても安心できて、ここに全てを預けたらずっと私は幸せでいられるんじゃないかと思えるほど。
「俺様過ぎる…。」
「そうか?だってお前の処女膜破って傷つけていいのは俺だけだろ?」
「もぉ!!」
背中をポンポン叩くと『ククク』って耳元で嚙み殺した笑い声が聞こえてくる。
「あぁ〜もぉ…マジで可愛いな…お前は。」
こめかみにチュッチュッとキスを落とし、おでことか瞼、目尻に鼻先…
顔中にチュッチュッと無数のキスを降らせてく。
最後にもう一度おでこにチュッとすると…。
「ここに欲しいって顔してる。」
唇を人差し指でトントンとして意地悪く笑ってる。
「ね?可愛いくおねだりしてみ?上手にできたらここにいっぱいしてあげる。」
「で、できるわけ『して?A?』」
ずるい…
その溶けちゃうくらい甘い眼差しと低い声はずるいよ!
「あぁ…その目…。目は口ほどに物を言うってこういう事を言うのか…。」
「そんな事…ないもん…。」
「そ?俺の事大好きで俺のキスが欲しいって熱烈に訴えてるけど?」
「うぅ〜…今日はなんでそんな意地悪?」
「俺のAを傷つけたお仕置き。ね?そんなのはどうでもいいから…。」
そっと唇を耳元に寄せて、耳朶を甘噛みしながら…
「…しないの…?キス…。」
今日一番の色気と甘さを含んだ低い声で誘うように囁いた。
「〜っっ//」
あまりの色気と自分の身体の熱さにクラリと眩暈がする。
「ククク。降参?」
コクリと頷くと、
「しょうがないなぁ。でも可愛いから特別に許してやるよ。」
顎を摘まれクイッと顔を上に向けさせられたと思ったら息つく間もなく唇が重なった。
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作者名:しおなな | 作成日時:2018年4月17日 19時