７５ ページ35
相葉と共にやってきた翔さんの住むマンション。
そのマンションは都心の所謂、タワーマンションでやっぱり次期家元さんだって妙に納得したり…。
私が知らないマンションと部屋番号までバッチリ把握してる相葉。
相葉に言わせると当たり前の事で、和くんも智くんももちろん知ってるとの事…。
私の彼氏なのに、私よりも周りのが詳しい事に少しだけ嫉妬したり…。
「相葉？和くんに連絡した？」
「和也様に直接ご連絡致しますと、仕事を放棄してご帰宅なさると思い大野さんにご連絡致しました。」
「そんな大袈裟な…。」
「い〜や。あの和也様ですよ？大野さんも仕事終わった後にご報告なさると仰っておりました。」
和くん…
どんだけよ…。
相葉はコンシェルジュさんに何かを伝えるとオートロックの部屋番号を押した。
ーはい。
「二宮家の執事の相葉と申します。」
ーえ？
「そのお声は松本様でございますか？私、相葉でございます。櫻井様のお加減がすぐれないとお伺い致しましてお嬢様と共にお見舞いに伺った次第でございます。」
ーは、はい。只今ロック解除しますので、どうぞお上りください。
焦った様子の松本さんがそう言って通話が切れて、
「お嬢様。参りましょう。私もお部屋の前までお供致します。」
相葉がエレベーターに私をエスコートする形で乗り込み、部屋がある階の番号を押す。
「お嬢様。緊張なさってますか？」
「うん…だって…男の人の家になんて行った事がないし…。」
翔さんは私がここに来る事をあまりよく思ってなかったみたいだから、どういう反応をされるのかちょっと怖い…。
「大丈夫ですよ。きっと大喜びされます。」
どこからそんな確信ができるのかにっこり笑った相葉は、エレベーターが止まりドアが開くとドアの出入り口を押さえて私を先に降ろす。
「お嬢様。右手の一番端の部屋でございます。」
「うん…。」
最上階の角部屋とか…
やっぱり期待を裏切らない翔さんは王子様で、こんなイミテーションな私で本当にいいのかと翔さんの生活を知ると自信が無くなってくる。
部屋の前に到着し、相葉がインターホンを押すと返事もなくドアが開けられて…
「突然、ご訪問してしまい誠に申し訳ございません。」
「いや、そんな…驚きましたがどうぞお上りください。」
松本さんが対応してくれて。
「お嬢様。お帰りになる際にご連絡ください。お迎えに参ります。」
そう言って手に持っていたお見舞いのフルーツの籠を私に手渡した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 494人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおなな
| 作成日時：2018年4月17日 18時
