可愛すぎる彼氏〜小話編〜

その２ ページ23

案の定………


「グスンッ………リョウタや〜〜、ヒョンにはおまえだけなんだよぉぉぉ〜〜(泣) おまえはチャミナに行かないでね？」


あーあ……ほら、いじけちゃったじゃん……


この面倒くささ……というか鬱陶しさか？ ６ヶ月の乳児にもわかるらしい。


「びぇ〜〜〜〜んっっ！！」


よほど解放されたかったのか、大音量で泣き出した。


『バンッッッ！！！』


ドアが開くなり、リョウちゃんがものすごい勢いで入ってきてリョウタを抱き取った。


「ヒョンッ！ なに泣かしてんのっ！？ かわいそうなことしないでよっ！！」


「あ、リョウちゃんおかえり。 いや、あの可哀想なのはユノくんだから、ね？」


「………僕、帰るよ………」


ちょ、ちょっと！ やだもう、そんな顔で帰られちゃったら、気になっちゃって困るじゃないっ！！


！！ハッ、思い出した！！ でかした私！！


「ね、ねぇっ！ ママ？ そいえば、なんかユノくんに聞きたいことがあるって言ってたよねっ！？」

出て行きかけたユノくんが、瞬間異動かってぐらいの鮮やかさで戻ってきた(笑)


期待イッパイなキラキラした瞳で母の前に立っている。


「え？ あ〜〜〜〜と、んん？？ なんだったかしら？」


忘れちゃったわ、テヘッ♪みたいな顔で平然と言ってのける。


シュウゥゥゥゥ〜〜〜っという音が聴こえるように、急速にしぼんでいくユノくん。



「あぁっ、ほらっ、ほらほら”野王”の放送始まったって……ほ〜〜ら〜〜……」


なんでも、先週から日本でも、ユノくん出演のドラマ”野王”の放送が始まったとかで、なんだか言ってたのだ。



「えっ、ユリコさん僕のドラマ観てくれてるの？ 嬉しいなぁ〜〜〜♪」


おぉっ、イイ感じに復活してきたじゃないの、ユノくん。


ヤレヤレ……と胸をなでおろしたのもつかの間、


「そうそう、あのね？ ユノくんに会ったら、ぜひとも聞きたいなって思ってたのよぉぉぉ〜〜」


「うんうん、なになに？？？」


キラキラしたユノくんは、期待感いっぱいだ。


「うん、あのね？ 昨日がちょうど８話の放送だったんだけど、ホラ、私こっちに来ちゃったじゃない？ たまった録画が観れるのだいぶ先なっちゃうから、続きがどーなるのか知りたくって♪」


「続き？ 続きってドラマの続きってこと？ ……僕の演技についてとかじゃなくって？」


「うんっ、そうよ♪」



………帰ると言い張るユノくんを引き留めるのは、ホントひと苦労だった(汗)

やきもちドンちゃん→←母、ふたたび　その1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す