妹、謁見する9 ページ9
「お、これうまいぞA」
『総統、それ食べたら戻りましょうね。』
「…アイツらなら大丈夫だろ。」
『確かに流石に書記長殿達に任せきりでは総統の顔が立ちませんよ。』
「んぐ…分かった、少しだけな。」
『ご配慮いただけて幸いです。』
「ふむ……というか、なんでそんなかしこまっているんだ？」
『あくまで仕事中、ですので。』
仕事中を強調して、すましたような態度のAは完全に仕事の顔をしていて、そんな彼女にすこしだけ物足りないような顔を見せてから目の前のスイーツを口に放り込んだ。
Aがウェイターに皿を預けてから、グルッペンの元へ戻ろうとすると目の前に見知らぬ男が立ち塞がった。人の良さそうな笑みを浮かべあたまを下げ、小慣れた口調で話始めた。
「これはどうも、素敵なレディ。いい夜ですね？」
『ええと、私の事でしょうか？』
「いかにも、美しい貴方に思わず目が止まり声をかけてしまいました。」
『生憎ですが、私待たせている連れがおりますので……。』
「そんな連れないことを言わず、この私と少しお話しませんか？」
男が引く気配は一切なく、おそらくこのまましばらく話を聞くことになりそうだと内心困り果てていたが、生憎強く拒絶もしずらい状態にあるためやんわりと断っていると、背後から心地よく低い声が聞こえてきた。
「A、こんな所にいたのか。」
『グルッペン総統、お待たせしてしまいましたか。』
「そうでもないが…なかなか戻って来なかったからな。」
「そ、総統閣下？！」
「ところで貴殿は、私の腹心に何か御用かな？」
「これは失礼いたしました…！」
Aの肩を抱き寄せ威嚇するように声を低くしたグルッペンに驚いた男は、逃げるようにしてその場を去っていった。
頭上で鼻で笑うようにして見送るグルッペンがAを隠すようにして壁の方へと連れていくと少し疲れたような顔をしていた。
「油断もスキもあったもんじゃないな…だから呼ばれなければこんな場所、連れていきたくなかったんだ。」
『総統……助けていただいたのはありがたいですが、そんなに怖い顔をしないでください。後殺気も出さないで。』
「しかし…こんな所で悪い虫に目をつけられたらたまったもんじゃないぞ。」
『総統のいる国で悪い虫なんか来ませんから安心してください。』
「そういう事じゃないんだが……まぁいい、俺から離れるなよ。」
印の一つでもつければ良かったか……などとつぶやく彼の心情をAが知る由もなく、トントン達が迎えに来るまでその壁から動くことは無かった。
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零歌 - え、うますぎでしょ！？ 憧れます‼ 続き、待ってます、！ (2023年3月31日 6時) (
レス) @page36 id: 2cc0278ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - 面白いところで終わってしまった…！！これからも、気長に作品更新を待っているので無理のないようにしてください！いつでも待ってますから！！！ (2022年8月17日 9時) (レス) @page36 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - 小雨さん» こんな更新停滞小説にコメントありがとうございます神作品などありがたいお言葉まで！！そのうちひょっこり現れたらまた楽しんでいただければと思います。 (2020年11月22日 17時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - 歴さん。こんにちは！いやー見た瞬間に神作品だと分かりました()更新無理しないでください！出来るときにフラッと帰ってきて下さいね！それまでのんびりと待っておきます！ (2020年11月9日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - めっぴぃーさん» こんな更新されてるかも分からん作品にありがたいコメントありがとうございます。のろのろ具合は変わるかわかりませんが、気長に待っていただければと思います。 (2019年1月5日 2時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歴 | 作成日時：2017年8月15日 21時
