妹、舞踏する4 ページ16
『だって外には隊長がいるじゃないですか。』
「まぁ、せやけど。」
『万が一何かあってもきっと助けてくれるでしょう？』
「…それは過信しすぎやって。」
『あれ？我々幹部であり特殊部隊であるゾム隊長ともあろう方ができないとは言わせませんよ？』
「ふーん…言うやんか。」
にっこり笑いながら手を取り意地悪な笑みを浮かべたAにゾムは思わず息をのんだ。
空いている片手で頬をポリポリとかきながらAから視線をそらし、少しだけ居心地の悪そうにする。彼女はおそらく信頼してくれている、ということなんだろうか。嬉しいことではあるのだが、いつもより数倍着飾った容姿に人懐っこい笑みで微笑まれるのはいささか確信犯かと思うほど心臓に悪かった。
直球に向けられたその言葉たちに、得意げに胸を張っている彼女をみて胸の奥が少しだけざわついた気がした。
「じゃあ今だけは守られろや？オヒメサマ。」
『なぁっ！？』
「ほら、そろそろグルッペンたちが探しとるやろ、戻るで。」
彼が反撃をと言わんばかりにとられていた方の手をくるりと回して手の甲にキスをするふりをすれば、見る見るうちにAの顔が赤くなったのが分かった。ぺちりとおでこはたいてから元きた場所に戻っていくゾムの姿に数秒呆然としながら、手を引くゾムの後をただついていった。
「お宅んとこのお嬢さんお届けに来ましたよっと。」
「おお、A。ゾムのところにいたのか。」
『私は手のかかる子供ですか。』
「まぁさしてかわらんやろ。」
『ひ、ひどい…！』
「そろそろ帰るんやろ？今帰りの足呼んどくわ。」
「ああ、すまんゾム、頼むわ。」
トントンが言い終えると同時に再び姿を消したゾムは、おそらく証言通り馬車を呼んで身を隠しているのだろう。子供と言われたAはすこしショックを受けたように子供…と呟いていて、見ていたグルッペンが納得したように頷きながら口を開いた。
「ほう……まぁ俺たちからしたって妹みたいな存在なんだから、ゾムが見てもそうなのかもしれないな。」
『なんかショックです…。』
「まぁクソガキって言われとるわけちゃうし、な？」
『そうですけど…なんかまだ力不足なのかなぁって…。』
「心配しなくてもゾムはちゃんとお前の実力は認めているから心配はしなくていい。」
「せやな、そうじゃなきゃあんなんにしないやろ。」
アイツもアイツで素直じゃないところがあるからな。と笑ったグルッペンはとても面白いものを見たと言わんばかりに興味深そうにゾムの消えた先を見つめていた。
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零歌 - え、うますぎでしょ！？ 憧れます‼ 続き、待ってます、！ (2023年3月31日 6時) (
レス) @page36 id: 2cc0278ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - 面白いところで終わってしまった…！！これからも、気長に作品更新を待っているので無理のないようにしてください！いつでも待ってますから！！！ (2022年8月17日 9時) (レス) @page36 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - 小雨さん» こんな更新停滞小説にコメントありがとうございます神作品などありがたいお言葉まで！！そのうちひょっこり現れたらまた楽しんでいただければと思います。 (2020年11月22日 17時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - 歴さん。こんにちは！いやー見た瞬間に神作品だと分かりました()更新無理しないでください！出来るときにフラッと帰ってきて下さいね！それまでのんびりと待っておきます！ (2020年11月9日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - めっぴぃーさん» こんな更新されてるかも分からん作品にありがたいコメントありがとうございます。のろのろ具合は変わるかわかりませんが、気長に待っていただければと思います。 (2019年1月5日 2時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歴 | 作成日時：2017年8月15日 21時
