妹、舞踏する3 ページ15
外の様子は室内と打って変わってものすごく静かで、人もそれほど出てはいなかった。Aは気配を把握するため注意深く見回し、屋敷の周辺に不審なものがないか見ていると、音もなく背後から手を引かれて口元を反対の手で覆われ、そのまま耳元で聞き慣れた声で囁かれた。
「アイツらから離れたら危ないで。可愛いお嬢さん。」
『…！隊長でしたか。』
「ちっす、それよりもアカンやんか、こんな暗いところ来たら。」
クツクツと笑う声はまさにゾムのもので、声だけでもニヤニヤをいつものように笑っている姿が想像できた。
殺気を出して振り解くための算段を立てるまでもなく、声で分かったAは一瞬にして張り詰めさせていた殺気を緩めた、視線を横にずらせばいつもの緑のパーカーが見えてほっとしながら口を開いた。
『一応護衛なので、周囲を確認したくて。』
「それは関心せぇへんな。今は大した武器持ってないんやろ。」
『今のはちょっと油断してましたけど…それなりに持ってますよ。』
「そういう問題ちゃうくて。今日の自分の格好をよく考えろって。」
品のいい奴らばっかりちゃうねんから。と言いながらゾムはA両肩に手を置いてと向き合うように回転させてからジトっと咎めるように見つめる。おそらく彼女からは暗がりにフードをかぶっているためあまりみえていないだろうが雰囲気で伝われと言わんばかりに不満げな声を出した。
そんな願いむなしく、困ったように笑った彼女は見当違いなことを言いはじめる。
『素敵なご令嬢ばかりなんですから私なんてそんな見向きもされませんよ。』
「そういう事じゃなくてなぁ……トントンと踊ってた時も結構見られてたぞ。」
『そりゃトンちゃんはかっこいいですから、お近づきになりたい女性がいて当然ですよ。』
「んーそういう意味じゃ無いんやけど…まぁええわ。」
『へ？』
「大先生がああなるのもなんとなく分かったきがする。」
ゾムはごまかすように頭をポンポンとなでて首をかしげている彼女を見て、そして確信した。
彼女は圧倒的に自分への評価が低すぎる。周りを立てるのがうまいといえばそれまでなのかもしれないが、他人見た自分への評価予測がないに等しい。頭の中で周りを立てるように意識してしまうのか、果たして理由はわからないが、彼女がそうあるが故に兄である鬱が過剰なほどに彼女を評価しているのだと思えば、なんとなく納得できる。ただの考え過ぎで、彼がただのシスコンなだけかもしれないが。
大きく溜息をついていると、Aが思いついたように話し出した。
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零歌 - え、うますぎでしょ！？ 憧れます‼ 続き、待ってます、！ (2023年3月31日 6時) (
レス) @page36 id: 2cc0278ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - 面白いところで終わってしまった…！！これからも、気長に作品更新を待っているので無理のないようにしてください！いつでも待ってますから！！！ (2022年8月17日 9時) (レス) @page36 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - 小雨さん» こんな更新停滞小説にコメントありがとうございます神作品などありがたいお言葉まで！！そのうちひょっこり現れたらまた楽しんでいただければと思います。 (2020年11月22日 17時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - 歴さん。こんにちは！いやー見た瞬間に神作品だと分かりました()更新無理しないでください！出来るときにフラッと帰ってきて下さいね！それまでのんびりと待っておきます！ (2020年11月9日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - めっぴぃーさん» こんな更新されてるかも分からん作品にありがたいコメントありがとうございます。のろのろ具合は変わるかわかりませんが、気長に待っていただければと思います。 (2019年1月5日 2時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歴 | 作成日時：2017年8月15日 21時
