記憶喪失になったら・・・【男性声優】 (ページ37)

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１６６話ページ37

アフレコ後。健一さんと私は、スタジオの休憩スペースに。

鈴村)Aはさ……。結婚とか、どう思う？

A)け、結婚……ですか……？

鈴村)お、俺と結婚することじゃなくてな！いつかは、結婚したいと思うか？

A)……そりゃ、いつかはしたいですよ。綺麗なウェディングドレスとか着て、大好きな人と、幸せに暮らしたいです。……健一さんは？

鈴村)俺！？……俺も、いつかは家庭を築きたい。好きな奴と一緒に

…………

しばらく、沈黙が続く。その沈黙を破ったのは、健一さんだった。

鈴村)A。今更なこと、聞くで？

A)はい……？

鈴村)俺の、どこが好き？

A)……へ？

鈴村)いや……なんで、俺なんかのこと好きになってくれたんかな、と思って。だって、年齢差も親子くらいあるやん？俺のこと、声優として好きでいてくれてるファンの子は、いっぱいおると思うけどさ……。男として好きって言ってくれたんは……Aが初めてやから……

なんで好きになったか？そんなの……

A)……私も、分かりません

鈴村)え……？

A)健一さんも知っている通り、私も最初はただのファンでした。でも、偶然の出会いが重なって、一般人だった私にも、健一さんは優しくしてくださった。そして、今の声優という職業に引き込んでくださったのも、健一さんだった。きっとこれも、健一さんに引かれた理由だと思います。でも……恋愛感情がいつ生まれたかなんて、分かんないです。気がついたら、好きになってた。ただ、それだけです

鈴村)……理由なんか分かんない、か

A)でも、なんでですか？

鈴村)……このあいだ紀章に、Aとはいつ結婚するんだ、って聞かれてん。そんとき思った。……Aは、俺と結婚することどう考えてるんやろ……って。だから、なんで男として好きになってくれたんかな？と思ってさ

健一さんも、谷山さんに聞かれてたんだ……！

鈴村)俺は……Aと結婚したいって、本気で考えてる。

A)えっ……///

鈴村)でも俺は、Aの気持ちを優先させたい。お前が嫌なら、無理には結婚しない。お前が別れたいって思うなら、辛くても我慢して別れる。だから……あらためて言わして？A……俺と、結婚してくれませんか？

そ、そんな……！

知らなかった……健一さんが、そう考えていたなんて……。

A)……私は

私の答えは……