1時間は君と【kzh】 (ページ7)

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先生は驚いて言葉も出ない、そんな感じだろうか

「だ、大体ただの生徒と不登校の生徒の言葉なんて信じるわけないだろう！」

「証拠ならあります」

葛葉くんが出したスマホからは私たちの一連の流れが流れ出す

「……っ」

逃げ場がなくなった先生は私たちに殴りかかる

私の横にいた葛葉くんは1歩前に出る

白くて細くてぽっきり折れてしまいそうなその腕でも意外と力はあるようで

先生の腕を軽々しく掴んだ

「あの、もう降参した方がいいと思うんすけど」

「……...」

ﾊﾞﾝｯ

先生は逃げていった

『あ、あの、葛葉くん』

「っっっはぁ、緊張したぁ」
「けど一件落着だな、良かった」

そう言って葛葉くんはこっちを見る

「？！」

葛葉くんは急いで顔を反対に向ける

「おまっ服着ろよ！！」

今の私の服装はシャツがはだけてて中身がほぼ見えている

『わっごめん！』

急いでシャツを着る

『はいっ、着た！』

そういうと葛葉くんはこっちに身体を向ける

当然、目が合うわけで

『「……」』

お互いに無言で見つめ合う時間になった

すると突然

「っはぁ」

『？！』

葛葉くんが私に持たれかかってきたた

「逃げたらいいって言ったじゃん...」

口と耳が近いので葛葉くんの甘く少しかすれた声がいつもより脳に響く

『ご、ごめん』

多分今頃私の顔は真っ赤っかだろう

戸惑いながら葛葉くんのことを受け止める
距離がグンと近くなる

『葛葉くん、ありがとう』

「んー...」

『うわ、』

葛葉くんの鼓動がわかる

とても早い

おそらく私の鼓動も同じようなものだろう

葛葉くんの鼓動が、私と同じ理由で、動いてればいいなって

16歳、AA、初めての恋をしました