45.思ってることは大体一緒 ページ6
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先輩方がとんとんと話を進める中、なんとか意識を取り戻し現実を見ようと試みた俺は、とりあえず副会長に賛成した理由を聞いてみることにした。
生徒会の中で一番まともなこの人が、こんなふざけた案に賛成するなんておかしい。
｢副会長、どうして賛成したんですか？｣
｢本番まで二週間だぞ？ やるものなど選んでいられないだろう。台本と衣装が揃ってるんだから有難いことだ｣
そう語る副会長の目は死んでいて、顔を引き攣らせて笑っていた。……ああ、副会長も疲れているのか。後半は今回の劇を無理矢理正統化しているように見えた。そうしないとやっていられない。
ふと他の先輩を見ても、会長以外は皆虚ろな目をしながら、文化祭の打ち合わせを進めている。
そんな状態でもちゃんと話が成立しているのだから、先輩方は流石だと思う。
そうか、そうだ。会長の無茶振りに振り回されて困っているのは俺だけじゃないんだ。
寧ろ同学年で一緒に過ごす時間が長いから、先輩方の方がストレスは溜まっている筈だ。
ここで俺が頑張らないでどうするんだ。ちゃんとしなければ。
｢……副会長、劇、頑張りましょうね｣
｢……ああ｣
俺は副会長と、ガシッと手を握り合った。
このとき、｢会長気苦労同盟｣が結ばれた気がする。
＊
いやしかし、女装コンテストが姫でのエントリーになるなら、不本意ながら助かる。
文化祭にあの姿の俺が現れなければ、木南も諦めるだろう。
｢あ、女装コンテストといえばサー、面白いコトがあったんだヨネ｣
｢何々！？ 聞かせて聞かせて！！｣
永彦先輩の言葉に、生徒会の全員が注目した。
多分、本気で興味があるのは会長だけで、他はただ現実逃避したいだけだと思うが。
｢この前試しに柏木クンを女装させたデショ？ あのトキ、不良から逃げた柏木クンがばったり友達と会ったみたいでサ。その友達、女装姿の柏木クンに惚れちゃったんダッテー。まあ、アレは惚れるのも無理無いヨネ｣
な、永彦先輩……なんだってその話を今したんですか……！
俺は顔を赤くすればいいのか青くすればいいのかわからなくなった。
あーあ、会長だってあんなに目をキラキラさせちゃって……。
……ん？ 目をキラキラさせちゃって……？ 嫌な予感がして、会長を止めようとした時はもう遅かった。
｢女装コンテスト姫で出るってのナシで！ かおるんのお友達の恋を応援しようじゃないか！！｣
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こめ(プロフ) - 蒼月さん» コメントありがとうございます！ひええ……勿体無いお言葉ありがとうございます:;(∩´＿`∩);:とても展開も更新も遅いのですが、頑張ろうと思います…！！ (2017年9月10日 22時) (
レス) id: 68f211f4d4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月 - 文章が綺麗でとても読みやすかったです。BL？は初めて読んだのですが、文のおかげで内容に入り込みやすかったです。この作品がとても好きなので、これからも更新頑張ってください！待ってます！ (2017年9月10日 21時) (レス) id: 7a41753020 (このIDを非表示/違反報告)
こめ(プロフ) - カジャさん» いえ、ゴンドラの唄の命短し恋せよ少女を元にしました。 (2017年8月15日 22時) (レス) id: c081f3254b (このIDを非表示/違反報告)
カジャ - 夜は短し歩けよ乙女からタイトルとってますか？ (2017年8月15日 17時) (レス) id: 6539cbd64d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめ | 作者ホームページ：http://nanos.jp/chiy1/
作成日時：2016年11月5日 12時
