43.色んな意味で大丈夫か、生徒会 ページ4
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いやあ、まさか利島がご飯を作ってくれたなんて。
｢いいから休んでて｣と言い皿を洗う利島の後ろ姿を見れば、自然と頬が緩んだ。
完全に今の俺は、我が子の成長をしみじみと感じる親父のようだ。
そして、利島は驚くべき発言をした。なんと文化祭期間中は自分が夕飯を作ると言うのだ。
｢雑用は俺に任せて、柏木は生徒会の方に集中して。夕飯、明日はもっとマシなもの作るから……｣
有り難いことだが、全部任せるのは申し訳ない、と言うと、
｢俺が料理を学ぶいい機会、邪魔しないでよね｣
と睨まれてしまったので、俺は渋々頷いた。
ここまでしてもらっているんだし、自分の仕事はちゃんとこなさないとな、と俺は気を引き締めた。
＊
｢皆さん、大変重要な事を忘れていました｣
そう言って口の前で両手を組む(エ ヴァのあの人のポーズだ)会長は、いつに無く真剣で、余裕が無いように見えた。
その尋常ではない様子に、生徒会役員全員が息を飲んだ。
｢文化祭まであと二週間となった今日ですが、なんとまだ寸劇のテーマを決められておりません｣
｢｢｢ええええええええ！！？｣｣｣
｢あーソレいつ決めるのかずっと気になってたー｣
｢いや言って！！？ 言ってよ会計君！！！ 僕今日クラスメイトに言われて初めて気づいたんだから！！｣
｢アハハ、乙デース｣
二、三年生は次々と立ち上がり、声を上げた。
俺を含めた一年生は、何が何だかわからずただその光景を見る。
それに気づいた副会長は、｢ああ、お前らは知らないよな｣と説明を始めた。
｢毎年生徒会では、開会式やイベントの合間に寸劇をするんだ。例えば、テレビのバラエティー番組を題材にしたり、行方不明になった生徒会長を探すため謎解きをしたりする｣
なんと、演劇部があるというのにそんな事もするのか。やはり無駄に凝っている。
しかし、さっき今日で文化祭まで二週間と言っていなかっただろうか。そんなので間に合うのだろうか。
｢しかし落ち着くんだ諸君！ なんと天才の僕はさっき名案を思いつき、台本まで書き上げてしまったのだ！｣
おお、流石は天才(自称)会長。この短時間で台本を書き上げるなんて、天才的だ。(いつもその調子で仕事をして欲しいものだ)
他の役員も俺と同じ事を思ったようで、おおーと感嘆の声を漏らしている。
して、その名案とは？
会長は十数枚のA4用紙をバッとかざし、大きな声で発表した。
｢そのタイトルは！ 『攫われた薫姫を救い出せ！』です！｣
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こめ(プロフ) - 蒼月さん» コメントありがとうございます！ひええ……勿体無いお言葉ありがとうございます:;(∩´＿`∩);:とても展開も更新も遅いのですが、頑張ろうと思います…！！ (2017年9月10日 22時) (
レス) id: 68f211f4d4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月 - 文章が綺麗でとても読みやすかったです。BL？は初めて読んだのですが、文のおかげで内容に入り込みやすかったです。この作品がとても好きなので、これからも更新頑張ってください！待ってます！ (2017年9月10日 21時) (レス) id: 7a41753020 (このIDを非表示/違反報告)
こめ(プロフ) - カジャさん» いえ、ゴンドラの唄の命短し恋せよ少女を元にしました。 (2017年8月15日 22時) (レス) id: c081f3254b (このIDを非表示/違反報告)
カジャ - 夜は短し歩けよ乙女からタイトルとってますか？ (2017年8月15日 17時) (レス) id: 6539cbd64d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめ | 作者ホームページ：http://nanos.jp/chiy1/
作成日時：2016年11月5日 12時
