ep.140 ページ43
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たった一切れのサンドウィッチをもそもそと咀嚼して水で流し込んだAは、ふらりと立ち上がって大広間を出ていった。
ハーマイオニーは不安げな表情で細く頼りない背中を見送り、同じような顔をしたジニーと目配せをした。
「寒い……」
外は相変わらず雪が降り積もっていて、セーターとローブだけでは凍えるような心地になる。
しかし外的な寒さよりも、いつも隣にあった太陽のようなぬくもりが消え去ってしまったことが、Aの心に鋭く突き刺さった。
軽く息を吸っただけで、冷たい空気が肺を刺す。
あんなに好きだった雪の日が、今はたまらなく苦しい。
マフラーを巻き直してくれる大きな手、寒さに震える肩を抱いてくれる人。
赤くなった頬にキスをして、愛おしそうに下がる目尻。
一生の別れではないと言われても、Aにとっては永遠よりも長い時間に感じられた。
「ねえ、風邪をひくわよ……寮に戻りましょう」
立ち尽くすAをしばらく遠くから眺めていたジニーは、震える体を見かねて腕を引いた。
糸の切れた操り人形のようにぎこちなく振り返るAの虚ろな目に光はなく、伏せられた長い睫毛が影を落としている。
青白い顔のなかで寒さに震える唇だけが赤く、そのアンバランスさが不気味で、しかし不自然なほど美しく、ジニーはなにかぞっとしたものを感じた。
「二人がいないと静かね」
寮へとさりげなく彼女の手を引きながら、ジニーは昨晩二人の兄に計画を打ち明けられたときのことを思い出していた。
*
「バカじゃないの！？ママがなんて言うか＿＿＿」
「おいおい妹、冗談じゃないよな」
「俺たちはもう成人だぜ、おふくろを理由に止められる歳じゃない」
ジニーは大きな溜息を吐いた。
「Aはどうするの？まさか連れて行くんじゃないでしょうね」
「俺はそうするつもりだったけどな」
「置いていくの！？」
ジニーが怒りに拳を握ると、フレッドはやれやれ と首を振った。
「Aの人生を俺のせいで台無しにするわけにいかないさ。どうせあと2年もすれば卒業して、一緒に暮らせるんだから」
ジニーはもどかしい気持ちになってローブの裾を握りしめた。
Aは最近まともに眠るどころか、薬の副作用でひどい状態になっている。
心配をかけないようにとジニーにすら内緒にしているし、部屋の違うフレッドが気づくはずもない。
彼がいなくなればもっと酷くなることは目に見えているのに、ジニーにはどう引き止めればいいのかわからなかった。
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マニ。(プロフ) - ちとせさん» ✉️。こんにちは！とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話したいのですが嫌じゃなければ💦、これからも更新応援します💝 (2月8日 12時) (
レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - くろみさん» ただいまです〜♡お互いもうすぐスタジオツアーでしょうか！？全力で楽しみましょうね〜〜🪄︎︎✨ (10月30日 23時) (レス) id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - お返事遅くなりすみません(>_<)長い間お待たせしました！完結まで見守っていただけたら嬉しいです♡ (10月30日 23時) (レス) id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - ダリアさん» ありがとうございます、励みになりました！どうぞ完結までお付き合いください♡お返事遅くなりすみませんでした(>_<)💦 (10月30日 23時) (レス) @page8 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
くろみ(プロフ) - おかえりなさい♡私も再来月スタジオ行くので双子モチベ上がってます✊💞ゆっくりで良いので更新楽しみにしてます🥲 (9月22日 23時) (レス) id: ad8712394d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月20日 15時
