ep.97 ページ49
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Aがカタカタ震えながら天を仰ぐと、たくさんの目がこっちを見ている。
奇妙なものを見るような目、怯えるような目、嫌悪するような目。
フレッドがAを強く抱き締め、心からAを心配しているような瞳を見た瞬間、Aは何が起きているのかを理解した。
叫んでいたのは、Aだった。
首を振って泣き叫ぶAの元に今まで生徒たちが見たことの無いような恐ろしい顔をしたダンブルドアが駆け寄ろうとしたが、ボン という大きな音と共に優勝杯を掴んだハリーとセドリックが現れ、人々の関心はそちらに移った。
大喜びで総立ちになる人々の中で、Aとフレッドだけが地面に膝をついていた。
大丈夫か と尋ねるフレッドにAが頭を振って口を開こうとすると、それより先にハリーの悲痛な叫びが聞こえた。
「あいつが！戻ってきた！ヴォルデモートが！」
Aは力の入らない指先でフレッドに縋った。
ビルは呆然とする母親を押し退けてAに駆け寄り、ローブの左袖を捲りあげた。
しゃくりあげるように浅い呼吸を繰り返すAと裏腹に、それを見たビルとフレッドは呼吸も言葉も奪われてしまったかのように息を飲んだ。
禍々しい髑髏と蛇が、嘲笑うように膨れ上がり、黒黒と蠢いている。
フレッドが一年前に見た時には薄ら灰色の髑髏に今にも千切れそうなほど細々とした蛇だった。
それは、ハリーが泣き叫ぶ内容が嘘でないことを現していた。
そこからAの記憶はすっぽり抜けてしまっていたが、気がついた時にはダンブルドアとハリーとともに校長室に座っていた。
例のあの人が蘇り、セドリックが死んだ。
それだけでも充分状況は最悪だというのに、校長室に駆け込んだマクゴナガルの言葉は、更にAをどん底に陥れた。
「キャンベル夫妻がアズカバンから脱獄しました、それから＿＿＿＿サーシャ・ベネットが自宅で亡くなっているのがみつかり＿＿＿＿死の呪＿＿＿＿」
言葉は耳鳴りに掻き消された。
頭がぐらぐらと揺れ、またしても黒い幕が降ろされたようにAの意識は途切れた。
次に気がついた時にはAは医務室のベッドの上で、右腕が重たく痺れているせいで目が覚めた時だった。
いつからそうしていたのだろうか、フレッドがAの手を握りしめて腕の上で寝息を立てている。
そっと感覚のなくなった右腕を抜き取って頭を撫でると、とろん とした目がゆっくりと重そうな瞼を押し上げて現れた。
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
