ep.96 ページ48
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その後、Aは絶対に逃げないし手を離さないと何度も約束させられ、やっと肩から下ろしてもらった。
上機嫌に彼女の頭に頬を擦り付けながら歩く弟と不貞腐れたようなAの顔を見て、ビルは呆れたように眉を下げて笑った。
確かにこう見たら魔法でメロメロにされていると思うのもわからなくはない。
会場につくとウィーズリー家が家族席に勢揃いしていて、Aはずっとフレッドの陰に隠れていた。
モリーと目が合いAが小さく会釈をしたが、モリーはその隣に立つ息子にかける言葉を探しているようだった。
言葉がモリーの頭の中で見つからないうちに選手が入場してきて、彼女はたちまち前を向いてハリーに拍手を送った。
「今回は賭けはしないのね」
「シーッ」
いつの間にかAの隣に来ていたジョージが母親を指さして焦ったように首を振った。
Aが困ったように笑うと、ちょうど選手たちが迷路に足を踏み入れ、迷路を形成する蔦が入口を塞ぐように閉じた。
「また何も見えない中待つのね」
「暇なら＿＿＿」
「しないったら」
「まだ何も言ってない」
またいつものようにイチャイチャしだす二人にジョージはため息をつき、モリーは体の中を暴れ回るものを抑えるように大きく深呼吸をした。
「フレッド、手紙は読んだわね？」
「読んだかも。あんまり覚えてないけど」
「フレッド！その子は＿＿」
モリーの怒りに呼応するように赤い閃光が上がり、暫くしてぐったりとしたフラーが迷路から出てきた。
気を失っているが、命に別状はないという。
もう一度モリーが大きく息を吸って続きを言おうとした時、また赤い閃光が辺りを照らし、今度は呆然とした顔のクラムがふらふらと現れた。
ホグワーツ生の興奮は最高潮に達していた。
この時、ホグワーツの優勝が確定したからだ。
フレッドは静かに母親に向き直った。
「何を言う気か知らないけど、俺一人の時に言ってくれ。Aに聞かせることじゃない」
そう言ってフレッドはAの方を優しく見たが、Aがそれに気づくことは無かった。
酷い耳鳴りに頭がおかしくなりそうだった。
足がガクガクと震え、まるでゴムになってしまったかのように力が入らない。Aはとうとう膝を着いて座り込んだ。
左腕が心臓になってしまったかのように体の芯が冷えきり、ただ、印だけが燃え上がるように熱い。
耳鳴りの中で、誰かが遠くで叫んでいるのが聞こえた。
女の、甲高い叫び声だ。
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
