ep.93 ページ45
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案の定次の朝、ふくろう達は大量に色とりどりの手紙を運んできた。
フレッドが大広間に着いた時には既にAは手紙に埋もれていて、吠えメールがギャンギャンと罵詈雑言を叫び立てているところだった。
Aは薄笑いを浮かべながらそれを見ていて、寧ろ隣にいるハーマイオニーの方が失神しそうになっている。
「あなたどうしてそんなに平気でいられるの！？」
このアバズレ！と狂ったように延々叫び続ける吠えメールに被せるようにハーマイオニーが叫ぶと、Aは愉快そうに「いい歳した大人が小娘相手に顔を真っ赤にして思いつく限りの強い言葉を書いてるって、想像しただけでかなり滑稽よ」と答えた。
「可愛くて綺麗でかっこよくてって、俺の彼女はちょっと出来すぎやしないか？」
「お褒めの言葉どうもありがとう」
ひとしきり叫び立てて満足したのか、ぼっと音を立てて燃え上がった吠えメールの煤をテーブルから払い、Aは開けなくても害がないような手紙＿吠えメールは放っておくと爆発する＿を纏めて袋に突っ込んだ。
Aが「見てこれ、親愛なるクソビッチへって書いてあるわ」と宛名を眺めてせせら笑っていると、丸っこい黒のフクロウがジニーとフレッドに手紙を落とした。
それは彼らの母のモリーからで、すぐに隠されてしまったが、「付き合う人間は考えた方がいい」「もっとあなたにふさわしい女の子はいるはず」「騙されてる」などの言葉が見え、いい内容ではないのは明らかだった。
他人からの悪意はかすり傷にもならなかったのに、モリーの子供たちを心配して書いた手紙はAの心に確かにちくりと痛みを残した。
「気にしなくていい、おふくろは記事を鵜呑みにする癖があるんだ」
「ハーマイオニーのときも私に手紙を送ってきたけど、今は手紙の存在すら覚えちゃいないわ」
口々に慰めるように母親のことを悪く言う二人にAは小さく頷き、髪についていた煤をフレッドに払ってもらった。
*
「セドリックの彼女は私なの！彼に近づかないで！今度何かしたらただじゃおかないから！」
耳をキーンと劈くような叫び声に、Aは顔を顰めた。
チョウは誰もが認めるようなお淑やかで柔らかな美人だが、顔を真っ赤にして怒鳴る彼女にはその面影は一切ない。
「お生憎、私から近づいたことはないのだけれど…そんなに不安なら首に鎖でも繋げておけばいいんじゃなくて？」
空気を奪われたように口を開閉する彼女に背を向け、Aは最愛の人の所へ向かった。
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
