ep.74 ページ26
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次の日から、校内でAの噂を聞くことはほとんどなくなった。
聞こえてくるのはハリーの名前ばかりで、ハーマイオニーは彼と喧嘩したらしいロンと一緒にいるせいでハリーと話せず、気まずそうにしていた。
校内にはハリーを蔑んで揶揄うようなバッジが溢れ、皆ハリーが通ると体当たりしながら暴言を吐いた。
ただフレッドやAは変わらず、すれ違えば挨拶をしてくれるので、ハリーは何かあればAを頼るようになった。
「どうして君は変わらず僕と接してくれるの？」
「＿＿＿あなたのおかげでヘイトが分散したから……お礼のつもり。そんなにいい理由じゃなくてごめんなさいね」
ハリーは黙って首を振った。
どこからともなくフレッドが現れてAを連れて行ってしまったので、ハリーは少し早めに自分を呼んでいるというハグリッドのところに行くことにした。
*
「さーてA、準備はいいか？」
「準備？何の？」
空き教室の扉を慎重に閉めたフレッドがにやりと笑ってAの唇をつまむと、怪訝そうな顔つきがみるみるうちに耳の先まで赤くなった。
「待って、ほんとに……考え直さない？」
「そんなに俺とキスするのが嫌か？」
「違うの、嫌なんじゃなくて……十秒待ってくれる、心の準備がしたいの」
フレッドが小さく頷いたのを見た瞬間、Aは彼に背を向けた。
心臓を押さえ、大きく深呼吸をした。
「もう十秒以上待ったぜ、ハニー」
悪戯っぽく笑ったフレッドにくるりと体を反転させられ、両手を強く握られる。
Aは固く目を瞑り、オーケー と口の端で囁いた。
最後まで言い終わらないうちに口を塞がれ、初めてのことに対しての小さな悲鳴も全て大きな口に飲み込まれた。
左手はそのままに繋がれていた右手が外れ、Aの髪と頬を撫でる。
指先が耳に触れ、擽ったさに薄く目を開けるとどろどろに蕩けきった甘い眼差しがAを射抜いた。
そこからどのように空き教室を出て、どのように自分の部屋まで帰ったかAは全く記憶がなかった。
*
ハーマイオニーは少し第一の課題についてハリーと話し合い、夜になって部屋に戻ると、Aがベッドの上で呻きながら潰れているのを発見して驚いたように小さく叫んだ。
「A？あなた何してるの？」
「たすけて……ほんとうに……しんでしまうかと……思い出しただけで身体中が苦しくなる……」
「それってすごく幸せな悩みね」
ハーマイオニーは呆れたように笑った。
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
